第15章 shine of the palm
❁❁❁ 百side ❁❁❁
千「どれもキレイに撮れてるよ。うん・・・どういたしまして・・・そうね・・・うん・・・うん・・・フフッ・・・それを贈られる意味が分かったら、お礼待ってるから・・・」
さっきからずっと、ユキはマリーからの電話で楽しそうにお喋りしてる。
その前はスマホを見て、なんだこの恐ろしい程のラビチャは!って言ってたのに。
それを開いたら急に、ユキは優しい顔になって微笑んでたし。
なに見てるの?ってオレが覗いたら、なんだかいろんな格好したマリーの写メが届いてたけど。
仕事・・・じゃないよな?
だって仕事だったら、それが出回る前に誰かに・・・なんてタブーだし。
千「じゃ、またね」
あ、電話終わった?
切ったばかりのスマホを見つめているユキは、さっきと同じように楽しそうに微笑んでるし。
「ユキ、いまのってマリーからでしょ?なんかいい知らせでもあったの?スゲー楽しそうに話してたけど」
後ろ向きに座ったイスをガタゴト揺らしながら聞けば、ユキはそんなオレを見て、また目を細めた。
千「少し前にね、僕が愛聖に贈り物をしたんだ。それが届いたお礼と・・・ほら、これ見て?」
画面をタップしてユキがオレにスマホを渡す。
「これってさっきもチラッと見えたけど、マリーだよね?仕事・・・」
千「じゃないよ。僕が送ったのは例のCMで使われるルージュのセットと、そのメーカーで販売されている物から似合いそうなカラーをプラスαしたやつ」
へぇ・・・ユキがプレゼント・・・
「って、いつの間に?!ズルいユキ!オレも誘ってくれれば良かったのに!!」
ユキはいつも、オレが知らない所でサラっとマリーにプレゼントとかしちゃうんだから!
千「ごめんモモ、今度は一緒にプレゼント選びをしよう?だから膨れるなって」
「絶対だよ?」
千「うん、約束する・・・って、僕たち恋人同士みたいな会話してる」
クスッと笑うユキにつられてオレも笑って、サプライズプレゼントをマリーに選ぶとか楽しそうだな!とワクワクする。
でも、ユキからルージュのプレゼントだなんて・・・オレだったら惚れちゃう!
もう惚れちゃってるけど!
って、あれ?
そう言えば確か・・・アクセサリーとかルージュの贈り物って、意味があったよな?