第15章 shine of the palm
❁❁❁ 陸side ❁❁❁
大「よーし、始めるとすっか」
うわぁ・・・なんかドキドキして来た!
マネージャーが目隠しされた愛聖さんの手を引いて、こっちに来るのを待つ。
万理さんたちが着替えてる間に一織がくじ引き作って順番決めて、オレが1番を引いちゃったんだけどさ。
『ここでいいの?』
紡「はい、目の前にはもう準備された方がいますから」
『分かった、ありがとう紡さん。えっと・・・誰かな?うーんと・・・』
大和さんが手を伸ばしてちょっと触ったりする位はルール内だからって説明してたけど・・・距離が、ち、近過ぎない?!
躊躇いがちにオレに触る愛聖さんが、何かを確かめるように考えては、顔を上げてオレを見てる・・・気がする。
目隠ししてるんだから見えてはないんだけど、こうずっと見つめられてる感じがすると、ドキドキがハンパないよ!
『この感じだと・・・あ、分かった!七瀬さん!』
え?!もう分かっちゃったの?!
大「どうしてリクだと思う?」
正解ではあるのに、それを惑わせようと大和さんが理由を聞く。
『どうしてって言われても、七瀬さんだって思います。だってほら、この感じは・・・』
う、うわぁぁぁぁ・・・ヤバイって愛聖さん!
言いながら愛聖さんがオレをギュッと抱きしめてから、オレの胸に手を当てる。
『うん、絶対そう。七瀬さんは衣装からチラッと見える筋肉の感じとか・・・この辺りのラインとか・・・どう?正解?』
そっと体を離しながら、まるで顔を覗くように見上げる愛聖さんに、オレは呆気なく降参をする。
「せ、正解です・・・」
『やった!まずは1人目大正解!』
「あ、はは・・・凄いね愛聖さん・・・」
一「七瀬さんは、もう少しポーカーフェイスを身につけた方が良さそうですね」
「見えてないんだから関係ないじゃん!」
くそぅ・・・一織も同じようにされて、ドキドキしちゃえ!
『じゃあ次は誰かなぁ・・・次の人どこですか?』
早くも次の人を当てようとする愛聖さんに、一織の時は動揺するくらいのハグをしちゃってね!と心の中でガッツポーズを掲げた。