第15章 shine of the palm
❁❁❁ ナギside ❁❁❁
今度はワタシの番ですね・・・
両手を伸ばしてくるマリーを焦らすように、その手が触れそうになると、1歩下がってみる。
『あ、あれ?いま一瞬触った気がするんだけど・・・紡さーん、私の前にちゃんと誰かいますか?』
紡「あ、はい・・・いるにはいるんですけど・・・」
ワタシがこっそり逃げているのは内緒ですよ?と、マネージャーに向けて人差し指を唇に当てた見せた。
『いるにはいるって、方向が違うって事なのかなぁ』
ちょこんと首を傾げたマリーが、正面にいるワタシから少しだけ体の向きを変え数歩進み出す。
『おーい・・・どこですか?って、なんだかこれって、最初の主旨と違っちゃってませんか?』
足を止めて考え込み出すマリーがなんだかかわいらしいので、ワタシからひとつ、ヒントを差し上げましょう。
パンパンッ!と手を叩けば、華奢な肩が小さく跳ねる。
『え・・・二階堂さん、いまのはなんですか?!』
大「さぁてね、なんだろうねぇ・・・お兄さん分かんないなぁ」
ヤマト・・・楽しそうデス。
ニホンの遊び・・・確か、オニさんコチラでしたね。
もう1度だけ手を叩いて音を鳴らせば、マリーが向きを変えてワタシの方へと歩き出した。
オニさん、コチラ・・・こんなかわいらしいオニでしたら、ワタシは捕まってもイイデスネ!
ちょこちょこと歩くマリーのかわいさにガマンの限界でーす!
ワタシに辿り着く前に、自分からマリーを抱きしめてしまう。
『っ?!び、びっくりした・・・え?!あっ・・・分かった!ナギさんですね?!』
「YES!!さすがワタシのマリーデス!」
恭しく片膝を落とし、小さな手を取ってそこに口付ける。
『あ、あの・・・ナギさん?どさくさに紛れてなにをしてるんですか?!』
「恥ずかしがらなくてオッケーですよ?誓いのキスは、後でゆっくり・・・Nooooo?!」
三「ナギ!いい加減にしろっての!」
心の目に届くようにウインクを投げれば、ミツキに引き摺られてしまう。
三「全く、愛聖が見えてないからって油断も隙もねぇな」
「ミツキ、離して下さい・・・ギブアップします!」
Oh・・・ワタシの愛は、ライバルが多すぎデス・・・