第15章 shine of the palm
いや・・・いいのか?
もし誰かを外したら、愛聖がその外した人の言うことを聞くとかルールがあったよな?
・・・大丈夫なんだろうか。
陸くんや環くんは、さほど困るようなお願いはしないだろうけど。
問題は・・・ここにいる策士、だな。
あぁ、あとナギくんも危ない気もするな。
もし・・・無理難題な事を言い出したら、その時はちょっとだけ愛聖の味方をするか。
大「なーに難しい顔しちゃってんの万理さん。あ、もしかして愛聖が万理さんを当てられなかったらどうしよう?とか、そういうやつ?」
考え込む俺を覗き見た大和くんが、さも楽しそうに腕を組んで笑う。
「まぁ、俺は大丈夫じゃないかな?って思ってるよ」
大「なにその自信満々な感じ。誰の服を着てても絶対大丈夫とかイチャラブもここまで来ると、なんだかなぁ。ま、オレは愛聖が万理さんを外したら、盛大に笑っちゃうけどね」
「絶対とは言い切れないよ。でもほら、俺や社長は多分着替えてても分かっちゃうんじゃないかなぁ・・・位の事は思ってるよ」
みんなはともかく、俺や社長はね。
特に社長なんて、醸し出す雰囲気とか、なんかそう言う感じが現役でアイドルやってる彼らとはひと味もふた味も違うと思うし。
環「なんかボス・・・ヤマさんみてぇ。つーか、なんも喋んなかったら、多分マリーは間違えちゃうかもな」
あれ・・・でも環くんにそう言われると、ちょっと心配にもなって来たぞ・・・?
小「愛聖さんが僕を外したら、どんなお願い聞いて貰おうかなぁ・・・あ、そうだ!最近肩凝りが頻繁にあるから、肩揉みとかマッサージとかお願いしちゃおうかな?」
ワクワク感を隠すことなく言う社長に、乾いた笑いが漏れる。
「肩揉みくらい、俺がやりますよ・・・」
そんな小さな呟きを届け、リビングへ戻ろうとはしゃぐ環くんにも、小さな笑いを返した。