第15章 shine of the palm
❁❁❁ 万理side ❁❁❁
大「社長はこれか・・・これはどうです?で、万理さんは・・・タマ、お前の服持って来な」
環「ん」
リビングから連れ出され、社長と一緒に大和くんの部屋に案内される。
小「それにしても楽しいね、こういうの」
「ハハッ・・・まぁ、そうですね」
愛聖と紡さんを間違えたっていう環くんの行動と、見えなくても分かるんじゃないか?って言う愛聖の言葉から始まったこのゲームだけど。
まさか俺や社長まで、それに巻き込まれるとは。
環「バンちゃん、これとこれならどっちがいい?」
大和くんに言われて自分の服を持って来た環くんが俺に差し出したのは・・・
「アハハ・・・随分とお気に入り的なやつを持ってきたんだね・・・」
大きく王様プリンがプリントされているフード付きパーカーとジーンズの組み合わせと。
同じように小さな王様プリンがあちこちに駆け回るプリントがされている長袖Tシャツ。
俺がこれを着ても・・・大丈夫なのか?
環くんはまだ高校生だけど、俺はもう・・・結構な大人だけど。
小「万理くん、どう?似合う??」
機嫌よく声を掛けてくる社長を見れば、大和くんから借りた服を着て何度も鏡をチェックしていた。
「よく・・・お似合いですよ、社長」
ちょっと・・・若すぎるんじゃないか?とも、思わずにはいられないけど、ね。
紡さんが見たら、びっくりしちゃうんじゃ・・・
環「バンちゃん、どっち着る?」
「え?あ、あぁ・・・じゃあ、こっちを」
あまりよく考えずに受け取った服は、大きな王様プリンのトレーナーで。
なんか俺、選択肢間違えたかな?なんて苦笑を浮かべながら、いそいそと服を着替えた。
大「あ、万理さん待った。取り敢えず服はタマのだけど、髪は上に纏めちゃってよ。じゃないと愛聖が髪を触ったらバレるから」
そこまで慎重さを求めるゲームなの?!
なんて思いつつも、言われるがままにスルスルと髪を上で纏めてみる。
っていうかコレじゃ普段の風呂上がりの俺と変わらないな。
そうなると短期間でも俺の家で一緒に過ごしていたんだから、愛聖もこの姿は知ってるんだけど・・・
まぁ、みんなが楽しそうなら・・・いいか?