第15章 shine of the palm
大「ちなみに社長と万理さんは背格好が近いオレたちの誰かの服に着替えないと、スーツやワイシャツの感覚で答えがすぐに分かっちゃうから」
・・・マジですか。
考えてる事はバレバレなんだよと言わんばかりに、二階堂さんが私を見て口端を上げる。
大「そんじゃ、準備すっか。社長と万理さんは着替えなきゃだから、取り敢えず愛聖の目隠しは・・・イチ、頼んだ」
一「分かりました。では佐伯さん、こちらへどうぞ」
どうぞって、ホントにやるの?!
『ちょっと待って下さい。これって私だけが罰ゲーム感いっぱいなんですけど!社長も万理も、止めて下さいよ・・・』
小「えぇ・・・僕は若い子の服を着せて貰えるんだぁ!とか、ちょっとウキウキしてるんだけどなぁ。ね、万理くん?」
万「え、いや・・・俺は別に・・・でもまぁ、みんなが楽しそうならいいんじゃない?ってことで愛聖、ファイト!」
なんでこういう時、ちゃんとした大人組が1番ノリノリなんだろう。
こんな、罰ゲームみたいな・・・って、そうだ!
『あの、二階堂さん!もし私が全員を当てることが出来たらご褒美ってありますか?』
大「ご褒美?欲しいの?」
『欲しいです!是非とも!』
大「んー・・・じゃ、愛聖が全問正解したら、オレたちみんな、愛聖の言うこと1回だけ聞くってのはどうよ?」
『私の言うこと・・・それってなんでもアリですか?』
大「いいぜ、なんでも。あ、風呂で背中流して~とかだったら、お兄さん立候補しちゃうけど?」
お風呂で、二階堂さんが・・・?
三「ヤラシイなぁ、オッサン・・・なに狙ってんだよ」
ポワンと浮かんでしまうそのシュチュエーションに、思わず頭をブンブンと振ってイメージを追い払う。
大「で、もし外したら・・・外した人間の言うことを聞くって感じで公平に行こうぜ?あー・・・お兄さんなにを命じようかなぁ?」
ニヤリとする二階堂さんは・・・絶対とんでもない命令をしてくるに違いない!と、眉を寄せる。
に、二階堂さんだけはちゃんと当てよう。
そう小さく決意して、一織さんに目隠しの用意が出来たと呼ばれ、ソファーへと腰を下ろした。