第15章 shine of the palm
紡「あ・・・すみません。でも、本当にTRIGGERの皆さんと愛聖さんて仲良しなんですね」
クスクスと笑い続ける紡さんを見て、女の子ってやっぱり・・・紡さんみたいな人を言うのだろうか・・・なんて複雑な気持ちになる。
だって紡さん、同性の私から見ても可愛らしいと思うし。
たまにドジっ子して一織さんに注意されてるのを見かけると、それはそれで微笑ましいというか。
もうちょっと私も、紡さんを見習った方がいいのかも。
龍「楽はね、愛聖がいるといつもこんな感じだよ。たまに言い合いとかしても、それは仲良しの証明っていうか」
楽「は?違ぇし」
『楽は意地悪だし』
天「2人とも素直じゃないから」
楽「お前が言うな!」
龍「あはは・・・ほら、仲良しだろ?」
紡「ですね」
いつまでも終わりそうもないやり取りに頭が痛くなりながら、紡さんに帰ろうか・・・と促す。
紡「あの、いろいろとごちそうさまでした。お忙しいところお邪魔してしまってすみません」
龍「いいえ、たいしたお構いも出来ませんで・・・みんなにも頑張ってって伝えて?」
紡「はい!」
バイバイ、と軽く手を振る龍に私も振り返しながらドアへと手を伸ばして、天の呼び掛けに紡さんと振り返る。
天「新人賞、取りなよ」
紡「・・・え?」
天「ジャパンアイドルミュージックアワードの、新人賞。去年ボクたちが取ったやつ」
ドアの前で足を止めた私たちに、天がゆっくりとソファーから立ち上がりながら言った。
紡「えっと・・・毎年年末に行われる、アイドルにとって権威のある賞・・・ですよね?それがなにか・・・?」
天「その新人賞、アイドリッシュセブンが取りなよ。そしたら陸が知りたがってる事、話してあげる。そう陸に伝えて」
紡「はい・・・必ずお伝えします」
紡さんの返事に満足したのか、天のは何も言わずにまたソファーへと腰を下ろす
そんな天を見ながらも、私は紡さんと自分たちの楽屋へと戻った。