第15章 shine of the palm
龍「楽はそうかもだけど、愛聖はいつも砂糖もミルクもたっぷりだからさ?女の子はみんなそうなのかな?って」
「それは愛聖がアホがつくほど甘いコーヒーじゃないと飲めないからだろ?女がみんなそうとは限らねぇよ」
そうだろ?と目線だけで問いかければ、苦笑を浮かべながらも自分も砂糖とミルクは少しずつ入れてます・・・と恥ずかしげに龍に言った。
紡「愛聖さんが甘いコーヒーがお好きなのはメンバーの皆さんも知ってるので、疲れて寮に帰って来た時などは、三月さんがお入れしたり、あとは壮五さんがハーブティーをお部屋に届けてあげたりしてます」
龍「へぇ、どこにいても愛聖は愛されキャラなんだね。はい、コーヒーどうぞ?」
紡「すみません、お手数お掛けしました」
「なぁ、あいつって寮にいる時はなにしてんだ?そもそもアイドリッシュセブンと同じ寮生活って言っても女は愛聖だけなんだろ?」
龍が入れたコーヒーにそっと口を付けるのを見ながら、仕事場以外での姿は?と聞いてみる。
紡「そうですね・・・日常をあまり詳しくお話するのは女性の事ですので・・・ただ、時間がある時はアイドリッシュセブンの皆さんと一緒にレッスン場で歌ったり踊ったりして体をうごかしてるようです。愛聖さんは、自分のは単なる完コピだって笑っていらっしゃいますが、それでもまるで本人がいるようだとメンバーが驚いてました」
・・・あいつはまだ、親父が言いつけた初見でどれだけ吸収できるかっていう練習をしてんのか。
紡「それから、お仕事をされている時の愛聖さんはストイックに活動されてますが、寮にいる時は同性の私から見ても可愛らしい方だなって思える時もあるんです。お茶目というか、たまにドジっ子だったりして一織さんに注意されてシュンとしてる時も、可愛らしいなって」
ドジっ子・・・それはスゲー想像つく。
龍「それはオレも思うなぁ・・・なんて言うか愛聖って、ほっとけないって言うか・・・可愛いよな。オレは弟しかいないんだけど、妹がいたらこんな感じなのかなって思った事があるよ」
愛聖がウチの事務所にいた頃を思い出してか、龍が目を細めて大きく頷いた。
まぁ、龍は特にベタベタに甘やかしたりもしてたから、そういう意味では妹的な存在なんだろ。