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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第14章 心の行方


壮「なんか・・・余計な事を言ってしまったみたいだね、僕は」

振り返れば、逢坂さんが複雑な顔を見せながらごめんね・・・と私に言った。

『逢坂さんが悪いわけじゃありません。二階堂さんが、なんかもう・・・変に楽しんじゃってるだけです。それもきっと、逢坂さんが無事にここへ戻って来たことをホッとしてるからだと思いますし』

言いつけですからね・・・と、逢坂さんのベッドサイドに寄って床にペタンと腰を下ろした。

壮「女性に床に座らせる訳には・・・あ、そうだ。いまイスを用意するから、」

『大丈夫です。こういうの、子供の頃に経験済みだし・・・』

実はね・・・と、前に社長にも話した事がある万理が熱を出してという話を逢坂さんにも話し出す。

壮「そうなんだ・・・ホントにそんな子供の頃から、愛聖さんと万理さんは知り合いなんだね」

『まぁ、万理風に言えば、腐れ縁って感じで。その時に母さんが作った食事と用意された薬を隣の部屋に住む万理のところに届けて、熱が高そうで苦しそうに寝ている万理を見てたら、なんだか自分が熱を出して心細かった事を思い出して。そんな時に母さんがいつもしてくれてた事をしてあげたら、早く治るんじゃないかな?とか子供ながらに思って、万理の手に自分の手を重ねてみたりしたんです。ほら、こんな風に』

壮「え・・・あの、愛聖さん??」

あの時を思い出しながら、逢坂さんの手に自分の手を重ねてニコリと笑ってみる。

『具合いが悪い時って、何となく側に誰かにいて欲しくなりませんか?二階堂さんの言いつけではありますけど、ちゃんと逢坂さんが寝付くまでは・・・私がここにいます・・・じゃあ、私がどうして泣いたのか・・・話そうかな?』

壮「別に・・・話しにくいことなら、話さなくてもいいよ」

『うん・・・でも、大丈夫。みんなも知ってるし、逢坂さんだけ知らないのも不公平だから』

そう言って大きく深呼吸をしてから、ゆっくり、母さんの事を逢坂さんにも・・・話した。







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