第14章 心の行方
『二階堂さん・・・せっかく私、二階堂さんて凄いなぁって思ってたのにおチビとかヒドイ!!みなさんから見れば、私が小さく見えるのはそうかもですけど!』
ね?!と念押しして、同感だと誰かに言って欲しくて周りを見れば、笑いを堪えているのがバレバレの一織さんと目が合う。
一「ち・・・小さい方が・・・かわいいんじゃないです、か・・・?」
三「一織・・・お前オレを見ながら言うんじゃねぇよ!」
一織さんの発言にフルフルと握りこぶしを見せながら言う三月さんに、私も大きく頷いた。
『そうですよ!三月さんはみなさんの中では小柄かもですけど、私と比べたらちょっとは大きいんですよ?!』
三「愛聖!ちょっとってなんだよ!」
『え?!なんで三月さんが怒るの?!』
加勢したつもりでいたのに、今度は私に向けて怒り出す三月さんを見て首を傾げた。
三「愛聖のそういうトコ・・・ほんっと天然っつうか・・・ハァ・・・」
大「まぁまぁ、そこが愛聖のおもしろポイントなんじゃん?ってことで、ソウは病み上がりだし、オレたちは退散しますかね」
二階堂さんが言って、みんなが部屋のドアへと体を向けた時、逢坂さんが待ったをかけた。
壮「あの、大和さん。さっき環くんが言ってた愛聖さんが僕のせいで泣いたってのは・・・?」
いや、逢坂さん・・・その話はもう、いいんですけど。
そう思っても二階堂さんがそれを聞き逃すはずもなく。
大「そうだなぁ・・・確かに大泣きして、お兄さん子守りが大変だったなぁ・・・ウンウン・・・そんじゃ、その辺の詳しいことはご本人に聞いて貰うとして。愛聖、お前さんはソウが寝付くまで側に着いてなさいな?」
『え・・・はぁっ?!なんでですか?!』
ドアに向けて歩き出していた私の両肩に手を置いた二階堂さんが、クルリと私を回れ右させてベッドへと押し歩く。
大「本人がいるのにオレたちが説明すんのも変な話だろ?ま、がんばれ?」
『がんばれって・・・えぇっ?!』
ヒラヒラと手のひらを振りながら退散していく二階堂さんに続いて、他のメンバーもスッと出て行ってしまう。
なんで、こうなる?!
パタンと静かに閉じられたドアを見つめながら、大きく息を吐いた。