第14章 心の行方
壮「環くん・・・」
それまで勢いのままに気持ちを叫んでいた四葉さん、最後の言葉のあと、糸が切れたように黙り込んでしまう。
大「・・・ソウ。タマもこう言ってるんだからさ?辞めるだとか、そういうの考え直してやってくれないか?」
三「そうだよ!ここは環にガツンと言って、それでスッキリ仲直りしようぜ?・・・な?」
一「本当に反省したんですよ、四葉さんなりに」
ナ「YES!タマキ・・・ソウゴに合わせる顔ないって言ってマシタ」
壮「そうじゃなくて・・・確かに日頃から環くんは困る事が多かったけど・・・」
事の発端は、確かに四葉さんが遅刻して生放送に穴を開けてしまって、それが理由で四葉さんは逢坂さんに口を聞いて貰えないって・・・小さくなってた。
だけど今は、どういう訳か・・・そんな四葉さんよりも逢坂さんの方が辛そうに見えて来る。
紡「もしかして、他になにか理由があるんですか?」
紡さんがそう聞けば、逢坂さんは更に辛そうな表情へと変わって行く、
壮「既に決まっていたレギュラー番組を降板させられたって、聞いたんだ・・・FSCの、意向で」
紡「はい・・・確かにそれはそうですが・・・」
壮「愛聖さんも、新しく決まったCMを降ろされたって、局の人から聞かされて」
降板、という言葉が出て来て、その場の空気も重くなっていく。
壮「アイドリッシュセブンの降板も、愛聖さんの降板も、全部、僕のせいなんです」
紡「壮五さん、どうしてそんなにご自分のせいだと思うんですか?もしかしたら、スポンサー側にも何が表沙汰に出来ない理由があったのかも知れないじゃないですか」
そう言った紡さんをチラリと1度見て、毛布の箸を握りしめた逢坂さんの手が小刻みに震える。
壮「僕の、せいだよ・・・僕の父親は、逢坂壮志。FSC・・・ファイブスターカンパニーグループの、会長・・・なんだ」