第14章 心の行方
❁❁❁ 大和side ❁❁❁
「そっか・・・それは辛かったよな・・・」
泣きながら声を詰まらせては、ゆっくりと愛聖は自分の過去の話を話してくれた。
ソウが倒れてるってリクから連絡が来て、みんなと急いで寮まで来てみれば。
そこには、ソウの部屋で愛聖を宥める万理さんがいて。
これまでにオレたちが見たこともない位の泣き方で、正直オレはそんな愛聖を見て・・・息が止まる思いがした。
いったい何があったんだよ・・・とリクに小声で聞いても、リクはソウが倒れてるのを見た直後から愛聖はおかしかったって言うだけだったし。
どうしたんだ?と思いながら見れば万理さんと目が合って、手続きのためにこの場を離れるからと愛聖を託された訳だけど。
落ち着かせるために部屋を出て、だからといって愛聖の部屋に・・・って感じでもなかったから、ミツには話してオレの部屋に連れて来た。
そこで泣きながらも少しずつ愛聖が話す過去の出来事を聞かされて、納得っていうか、なんというか。
似たような光景を目の当たりにして、フラッシュバックした・・・ってところか?
ま、状況は分かった。
あとは・・・現状をどう回復するかって感じだな。
話し終わってからも肩を震わせ続ける愛聖の手に触れてみればその手は冷たく、その手を暖めるように自分の手を重ねた。
「愛聖のショック度とは種類が違うけど、オレはオレでちょっと・・・悲しかったぜ?」
『二階堂さんが、ですか?』
「そ。ソウもあんな風になる前に、1度くらい相談してくれてもいいのに、とかね。まぁ、ぶっ倒れちまった理由がなんなのかも分からないし、ソウが誰にも言えなかった理由も、誰にも分からないけど」
倒れるほどソウがなにかを抱えてるってことに気付かなかったオレは、リーダー失格って感じか?なんてわざとおどけて言えば、愛聖は大きく首を振った。
『二階堂さんは、いつもみんなの事をちゃんと考えてると思います・・・のらりくらりと話を交わすことがあっても、本当は優しくて、みんなも頼りにしてると思、』
「あー、ストップ。そんな風に言われると、お兄さん恥ずかしいから、それ以上はストップな」
『本当の事なのに』
「だから、ストップだって言っただろ?あ、そうだ」