第14章 心の行方
❁❁❁ 一織side ❁❁❁
紡「本当に申し訳ありませんでした・・・はい、以後このような事がないように致しますので・・・」
MEZZO"が仕事から戻ってすぐに、仕事先の関係者から電話が入り・・・ずっとマネージャーが謝り続けている。
その声は隣の部屋にいる私たちにも、伝わって来ていて。
壁に背中を預けたまま座り込んで、なにも話そうとしない四葉さんを見る限り・・・まぁ、四葉さんが原因でなんかやらかしたってのが答えでしょうけど。
陸「環、ちゃんと言わなきゃ分かんないだろ?何があったんだよ。怒ったりしないから、話してみて?」
七瀬さんが寄り添いながら、何とかして今日の出来事を聞き出そうとするも、四葉さんはなかなか口を開かずにいた。
大「タマ。オレたちに話したくないってんなら、別にオレたちも無理に聞き出そうとはしない。けどな、仕事先からクレームの電話が入ってるってことは、ソウか、タマのどっちかが何かしたんじゃないのか?」
環「俺が、生放送の仕事あるってそーちゃんに言われてたのに・・・遅れて」
大「生放送に遅刻したのか?で、どうした」
環「遅れただけじゃなくて・・・テレビ局着いた時にはもう終わってて・・・そーちゃんが、なんか偉い人にずっと怒られてて、ずっと謝ってて・・・そんで、俺がそーちゃんに謝ろうとしても、ダメだった・・・」
二階堂さんに説得されたのが効いたのか、四葉さんがポツリポツリと少しづつ話をする。
陸「壮五さんを怒らせたの?!」
「それは当たり前でしょう!生放送に穴を開けたんですよ?!」
四葉さんの言葉に反応した七瀬さんに、思わず私も勢いで言ってしまう。
環「・・・ごめん」
普段なら、なんだかんだと言い訳をする四葉さんが、項垂れながら、またひとつ・・・そう呟く。
紡「誠に申し訳ございませんでした!はいっ!・・・はい・・・申し訳ございません・・・」
はぁ・・・マネージャーはまだ途切れることもなく謝罪を続けていて。
三「環、顔上げてよく見ろ? マネージャーもさっきからああやって、ずっと謝り続けてんじゃねぇか」
環「・・・ごめんなさい」
大きな体を丸めて、膝を抱えるように小さくなりながら四葉さんは謝り続ける。
大「まったく・・・タマ、何が原因で遅刻したんだ?理由によっては、無罪かも知れないだろ?話してみな?」