第8章 新たな一歩へ
『紡ちゃんも忙しそうだし、楽屋挨拶行きたいなら局の中は少しなら案内出来るよ?』
メンバーのみんなが楽屋周りしなきゃ!と意気投合するのを聞いて、私が支度を始めるにはまだ大丈夫だし?と言ってみる。
三「だな!オレらだけじゃ迷子になったら困るし、その辺、愛聖だったら迷うことなさそうだしな」
壮「でも、マネージャーいなくてもいいのかな?」
一「むしろ、楽屋挨拶くらい私たちだけで行けるようにならないとですよ」
まぁ、慣れたらそれもありだけど···最初はやっぱり迷ったら大変だろうから。
じゃあ行きましょうか?と声を掛けて、一緒に歩き出す。
みんなは誰から行けばいいのか?なんて話しながら歩いてるけど、そこはやっぱり···
大「やっぱベテランからだろ?」
···かな?
一応まだデビュー前だしとか、そんな事を考えたら二階堂さんが言うように、ベテランから回っていけば···と私も頷く。
三「オレ、Re:vale行きたい!」
『えっ?!』
三月さんの言葉に思わず声が出てしまう。
一「兄さん、挨拶に行くんですよ?」
そうそう、一織さんの言う通り!
こんなウキウキ状態で千たちの所になんて行ったら···私が絶対帰れなくなる!!
それだけは···避けたい。
だいたい予想つくもの···千と百ちゃんの果てしないベタベタっぷりが···
だって社長がいても、あれだけお構いなしにベタベタ
ハグとか···だし?
『り、Re:valeは別に···』
一「あ···ちょっと」
Re:valeは別に慌てなくても···と言いかけたところで、一織さんが小さな声を上げて七瀬さんを振り返る。
一「七瀬さんは、このまま楽屋に戻って下さい」
陸「なんで?」
一「いま、TRIGGERの所にも行けるのかな?とか、思っていたでしょう?」
TRIGGER···?
陸「べ、別にいいだろ?挨拶なんだから」
私も、Re:valeより先にTRIGGERの所へは別に構わないんじゃ?と思うけど。
2人の様子を伺いながらも、二階堂さんの方をチラリと見れば、二階堂さんは黙って私に首を振って見せた。
七瀬さんとTRIGGERって、何かあるの?
···あ!もしかして!!
前に聞いた、TRIGGERのライヴを見た帰りにどうとかっていうのが、尾を引いてるとか?