第6章 BLESSED RAIN
あんなに真剣な感じで、みんなでなにを見てるんだろ?
邪魔しちゃ悪いと音も立てないようにドアを閉めて、人影の隙間から画面を覗けば。
楽 ー これからずっと、俺はお前と一緒にいてやる ···予約、したからな ー
ー キャンセルなんて、出来ないからね? ー
楽 ー しねぇよ···キャンセルなんか ー
これ、テレビで流れ出したあの時のCMだ···
っていうか!!
どうしてここのみんなは私に隠れて···私が出てる物を見てるの?!
前も千達との映画をレンタルしたからとか言って見てたし!
よ~し···ここは少しだけ驚かせちゃえ!
そっと忍び足で歩み寄り、1番後ろにいる四葉さんに近付いて···
『わっ!!』
環「うわぁっ?!···な、なんだ?!ってマリーかよ!驚かすなよ!!」
大「あ、ヤベ···」
ホンキで驚いたのか四葉さんが大きな声を上げて、それに驚いた周りも硬直する。
『私を仲間外れにして、なにを見ているのかと思った、ら···あーっ!ちょっと二階堂さん?!その微妙なタイミングで一時停止するのやめて!!』
画面上でストップされている映像は、私が楽に唇を寄せている···抜群の静止画で、恥ずかしいよ!!
大「やめてって言われてもだな···これはたまたまで仕方がないタイミングっつうの?な、ソウ?」
壮「えっ?そこで僕に振られても、返答に困るよ大和さん···」
急に話を振られた逢坂さんが、オロオロしながら私と二階堂さんを交互に見る。
『だいたいなんでこれがここにあるんです?!』
一「それは、これからの私達の活動範囲を広げて行くために勉強していた、という事ですね」
『勉強?それならどうしてコソコソ見てるんですか!怪しいでしょう!こんな、子供が大人に隠れて怪しげな物を見るみたいなのって!』
言ってしまってから、余計な事を言ったと気が付いて後悔する。
大「怪しげな?へぇ···例えば、どんな?」
『だ、だから、それは···その···』
大「お兄さん知りたいなぁ···怪しげなって、どんなのが怪しいの?」
くぅぅぅ···絶対に二階堂さん、分かっててワザと言ってる。
眼鏡を指で掛け直しながらニマニマとする二階堂さんに反論出来なくて、なんか悔しい!!
陸「オレは愛聖さんのコレ、怪しいとか思わなかったけど?」