第6章 BLESSED RAIN
❁❁❁ 陸side ❁❁❁
「大和さん、リビングに全員集合場所!って、なにかあったんですか?」
ラビチャで呼ばれて来てみれば、そこには既にオレ以外の全員が揃っていた。
正確に言えば、まだ愛聖さんはいなかったけど。
大「あ~、ほら。こないだ愛聖の初仕事とか言うCMあっただろ?あれが流れ始めてて、どうせならみんな見たいだろうなぁ?なんて思ったから、社長に頼んで貸してもらったんだよ、プロモーション用のコレを」
ヒラヒラと1枚のディスクを振りながら、大和さんがテレビの電源を入れる。
「じゃあオレ、愛聖さんにも声掛けて来るよ」
大「待て待て!ここに愛聖を呼んだりしたら騒いで怒るだろ。忘れたのか?前にソウとレンタルして来た愛聖の過去作見てた時のひと騒ぎ」
あ···あの時の。
見るなー!ってなって、リモコン争奪戦になったんだっけ。
壮「だけど、本人が部屋にいるのに内緒でって言うのも、いいんですか?」
大「いーのいーの!もし見つかったりしたら、今後の活動の為の勉強だ!とか言えば、文句言わないだろ」
一「そうですね。私達の活動の幅を広げる為に参考にさせて貰った、とでも言えば問題はないでしょう。社長公認なんですから」
···いいのかなぁ。
三「お、始まるぞ」
三月の声に、みんなが画面に釘付けになる。
もちろん、オレもだけど。
流れ出す映像にはひとつのベッドで一緒に丸まる愛聖さんと天にぃがいて。
その瞬間から織り成されるストーリ仕立てのCMが始まって···っていうか。
愛聖さんの寝顔って、ドキドキする。
これは演技で、オレはホントの寝顔を間近で見たこともあるけど···すぅすぅと眠ってしまってる姿が、かわいかったんだよな。
···オレの方が少しだけ年下だから、そんなの愛聖さんには言えないけどさ。
きっと万理さんとかだったら、昨夜の愛聖はかわいかったよ···なんて、カッコよく言えちゃうのかな?
昨夜の···って、いや···なに勝手な想像しちゃってんだオレ!
さらに画面の中の愛聖さんと天にぃが、凄くお似合いに見えてきて···ちょっとだけ、なにかがチクリとした。
オレもいつか有名になったら、愛聖さんとこんな撮影、してみたいなぁ。