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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第6章 BLESSED RAIN


一「恥ずかしい訳ではありません。パーフェクトと呼ばれる私には、ギャップが大き過ぎて似合わないですから」

そんなことない、と言いかけて、ふと考える。

私、同じような人をもうひとり知ってる。

本当は優しくて、気遣いがあって、メンバーの事をちゃんとまとめるお兄さん的な存在なのに。

セクシーさを全面に出して、エロエロビーストという称号を与えられてる···龍。

ただ、一織さんの場合はクールで聡明って辺りはそのまんまそうなんだけど。

『ギャップ萌え···とか、女の子はきっと喜ぶと思うけどなぁ』

一「うるさい人ですね···いいんです、今はこれで」

あくまでもかわいい物好きを隠しておきたい一織さんの気持ちも分からなくはないけど、同じグループにお兄さんである三月さんがいるんだからバレバレなんじゃ···

『あっ!だから三月さんはかわいい格好すればいいって言ってたんだ』

一「な···なにを言ってるんですか、あなたは!いいですか?さっきの事は絶対に···」

言いながら一織さんが詰め寄り、あっという間に壁際へと追い込まれ両手で逃げ道を遮断されてしまう。

『あの、一織さん?実は今日、私···二階堂さんと万理に壁ドンで耐性が出来てると思うので、多分そういうのは効果ないと思いますけど?』

午前中の事を思い出し、いま置かれている自分の状況を考えて一織さんに言ってみる。

一「二階堂さんと大神さんへの耐性、ですか···」

別に、一織さんになにも感じない訳ではない。

整った顔立ちをしてるし、普段からこんな間近で見る機会もないし。

だけど、こんな風に壁と一織さんに挟まれても···午前中みたいな腰が抜けるほどの驚きは今のところないし。

うん、大丈夫。

一「それで、私との約束は守って貰えるんですか?約束をしてくれるなら、私からご褒美をあげましょう」

ご褒美って、また一織さんは私をお子様扱いして飴玉とか渡すんじゃ···

『約束って、もふもふちゃんの事ですか?』

一「質問に質問で返すのはやめて下さい。約束して貰えるなら、さっきの事を私も記憶の引き出しにしまい込みましょう」

でもまぁ、一織さんが三月さん以外に知られたくないって言うなら···約束するしかないよね。

『分かりました、みんなの前ではその話をしないって約束します···これでいいですか?』





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