第6章 BLESSED RAIN
ひとしきりナギさんからいろんな指導を受けて、やっとみんなで廊下に出ると、レッスン場の掃除を終えた逢坂さんと七瀬さんまでが二階堂さんや四葉さんと待っていた。
大「ナギが大興奮してたと思ったら、まさかのコスプレとか···」
陸「愛聖さん!とってもカワイイです!」
『あ、ありがとう七瀬さん···ちょっとスカート丈が短いのが気になるけど、これで一織さんが機嫌直してくれるなら···』
壮「一織くんが?なにかあったの?」
逢坂さんが言えば、隣に立っていた四葉さんが事の経緯を簡単に説明した。
けど!
環「で、いおりんと愛聖がキスした」
『違ーう!!妙なとこだけ切り取るのダメですよ!』
大「でも、したんだろ?」
『だからアレは事故ですからね!事故!』
あからさまにニヤニヤしながら二階堂さんが言えば、七瀬さんまで顔を赤くして私を見る。
七瀬さん···誤解ですからね、ホントに。
『もぅ···万理もなにか言ってよ?その場に居合わせたんだから···っと、万理?』
万「え?あぁ、ゴメンゴメン···なんだっけ?明日の予定だっけ??」
珍しくぼんやりと考え事をしていたのか、万理はうわのそら状態で。
『万理、もしかして疲れてるんじゃない?なんか、変だけど···』
万「そんな事ないって。俺はまだまだ働き盛りの若くて優しいイケメンのお兄さんだからね」
···。
『そんなにいろんなものを兼ね備えた事務員···どこにいるんだろう』
万「ここ!ここにいるじゃん、愛聖の目の前だって!」
『どこどこ?なんか最近、私が疲れ目なのかなぁ···そんな素敵な人、見当たらないけど』
大「そうそう、オレも寝不足と疲れ目で未来さえ見えない···」
「「 未来は見ようよ!! 」」
万理とのやり取りに混ざって来た二階堂さんに、みんなで総ツッコミをする。
大「ま、見てはいるけどね。それよりイチの部屋、行くんだろ?オレ達が見守っててやるから、気合い入れて行って来い?」
『普通に行きます、普通に!···じゃあ、さっそく···』
大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出して廊下を歩く。
一織さんのドアの前に立った時、私がノックするよりも先にドアが開いてしまった。
一「っ、驚かさないで下さ···何してるんですかあなたは?!」