第6章 BLESSED RAIN
『万理は、どんな用事でここに来たの?』
なるべく早く話をすり替えてしまおうと、普段は寮に来ない万理に声を掛けてみる。
万「俺?あぁ、そうそう!今度のライヴの時の衣装だけど、社長が新しい物を作ろうって言っててね。近いうちにサイズ計測とかあるから、その連絡に」
サイズ計測···
『あぁっ!!私もサイズ計測あったんだった!···お腹いっぱい三月さんのご飯食べてる場合じゃなかった』
陸「愛聖さんもライヴする事になったの?」
今からダイエット間に合うかな···なんてブツブツ言っている横で、七瀬さんがそんな事を言い出した。
万「愛聖の場合は違う、CMの衣装だよ。でもアレって下着のCMだから、ダイエットするような衣装じゃないんと思うけど?」
大いにありますから!
『下着のCMだからこそ、だよ。他に何も身に付けられないから、ボディラインが···あぁ、どうしよう』
これこそホントに、四葉さんに運動付き合って貰うしか···
万「愛聖なら大丈夫だろ?だって、ほら、俺んちに泊まってる時に何度もそんな姿同然で一緒に寝てたけど、気にするような体型じゃなかったし」
「「 えぇっ?! 裸同然で一緒に寝てた?! 」」
『違う!違うから!ちゃんとパジャマ代わりに万理のシャツ着てましたから!!万理も誤解を招く発言はやめてよ!』
三「万理さんのって···」
大「いわゆる···彼シャツってやつ?」
彼という訳ではありませんけども、ね。
大「万理さん···愛聖にそんなコスプレさせてたとか、ヤラシィなぁ」
万「なんで?だって愛聖がそれでいいって言ってたし」
あ、なんか話がおかしな方向に?!
大「あ、もしかしてさっきのアレって、万理さんに言われても平常心でいられるようにって?」
『ち、違っ···』
一気に話の矛先を向けられ、思わず目をそらす。
大「ね、万理さん?ちょっと愛聖に壁ドンして···愛してるよ、って言ってみて?」
万「俺が?···別にいいけど」
スタスタと万理が私の前に立ち、なんの抵抗もなく壁ドン状態を作る。
万「愛聖、愛してるよ。って、愛聖どうした??」
···腰、抜けました。
ズルズルと壁に沿って座り込む私を、万理は不思議そうな顔をして眺めていた。