第6章 BLESSED RAIN
大「なっ、なに言ってんだよ!恥ずかしいのはこっちだっての!···だから苦手だって言ったのに···」
『だってこんなに破壊力があるとは思わなかったんですもん!ズルい···二階堂さんの愛してる攻撃···』
お互いに真っ赤になりながら、二階堂さんは片手で顔を覆って俯き、私は私で両手で顔を隠してため息を吐いた。
三「ん?こんな所で何やってんだ陸?」
···えっ?!
陸「いま···大和さんが愛聖さんに、か、壁ドンして···愛してるとか···」
見られてた!!
大「まさかリクに見られるとか···ついてないな」
陸「すみません大和さん!オレ、お二人がそういう関係だったとか全然気が付かなくて、えっと、あ!誰にも言いませんから!」
『違うんです七瀬さん!これは、』
陸「愛聖さんにも謝ります···ごめんなさい!」
大「だから違うっての!とりあえず話を聞いてくれよリク」
わたわたとしながら七瀬さんに言い訳をしようとしても、七瀬さんは黙ってるから大丈夫だとか言ってて。
それを脇で見ている三月さんも、怪しげな眼差しで私と二階堂さんを交互に見た。
三「で?なにごっこしてたんだ?愛聖はドラマにでも出るのか?」
『いえ、そうじゃなくて!これはたまたま、二階堂さんが愛してるって言ったら私は普通でいられるのかなぁ···なんて思って、試しに無理やりお願いしたんです』
大「半ば脅迫されたけどな」
脅迫って、あれは四葉さんの王様プリンの事を言っただけなのに。
三「陸、二人ともなんもないぞ?だいたい愛聖は万理さんにベッタリだし、大和さんとどうこうなるとか皆無だろ」
万理にベッタリとか、三月さんの中ではどういう立ち位置なんだろ、私。
あれ···万理···万理···?
『万理に頼めばよかったんだ!』
万「俺が、なに?」
大「うわぁ?!」
ひょこっと顔を出した万理にみんなで驚いた。
万「俺の名前が出たから顔出したんだけど?」
二階堂さんの、聞かれなくて良かった。
万「あ、もしかして俺も愛してるとか言えばいいのかな?大和くんみたいに」
聞かれてたー!!
陸「万理さんは、オレと一緒に全部見てました」
まさか万理にまで見られてたとか···でも、千の事は言えないし。
引き攣る顔を隠しながらも万理の顔を見ていた。