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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第6章 BLESSED RAIN


『二階堂さん。2日前のお昼過ぎ···見ちゃったんです』

コホン、と軽く咳払いをして二階堂さんを見上げる。

大「見ちゃったって?」

『二階堂さんが、なんの躊躇いもなく冷蔵庫から四葉さんの名前が書いてある王様プリンを、』

言いながら静かに瞬きをすれば、二階堂さんがギクリとした顔を見せた。

『確か夕方に四葉さんが大騒ぎしてましたよね?名前書いてあったのに!とか』

大「ウッ···そういう作戦に来たか」

『四葉さん、今日は何時に帰って来るのかなぁ···待ち遠しいなぁ···?』

きっと私が王様プリンを勝手に食べた犯人の名前を教えたら、四葉さんは火がついたように怒って···拗ねる。

そうなったら困るのは私ではなく、二階堂さんですよ?

そう付け加えると二階堂さんはギョッとしながらも大きなため息を吐いた。

大「分かった···1回しか言わないから、よーーーく、聞いとけよ」

やった!

『お、おねがいします。って、あ、ちょっと二階堂さん?!』

ジリっと壁に追い込まれ、伸ばされた二階堂さんの両腕に逃げ場をなくされてしまう。

『あの、ちょっと、近い···かな?って思うんですけど』

大「女子はこんなシチュエーション、好きだろ?」

女子って···そ、そりゃまぁ、壁ドンとかされたらドキドキしたりときめいたりとかしちゃう人もいるけど!

そんな事を考えてる私も、万理や千以外の人とこんなに距離近いのあんまりないから···ちょっとだけ、ドキドキするけど!

肘まで壁に貼り付けた二階堂さんとの距離にドギマギしていると、二階堂さんがフッ···と笑って私の耳元に顔を寄せた。

大「愛聖···」

『は···はい···』

耳にかかる息に首を竦めながら、体を寄せて来る二階堂さんのシャツを思わずキュッと掴む。

大「愛聖、オレはお前を···愛してる。こ···これでいいか?」

至近距離の二階堂さんが、照れまくりの顔を見せてから顔を逸らすから···なんだかその激しい照れに引っ張られて私にまで照れが移って来る!!

なにこの凄まじい破壊力···

ヤバい···ヤバ過ぎる···千のそれとは、全っ然違うよ?!

思わぬ伏兵に顔が熱くなり、両手で隠しながら横を向いた。

私の場合、千 “ の ” に慣れてるだけだったんだ···

『恥ずかしかったかも···』



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