第6章 BLESSED RAIN
『うん、もう大丈夫』
鏡に映る自分の肌を見て呟く。
楽が私の肌に咲かせていたいくつかの赤い華は完全に消えていて、これで畑仕事のおじさんのような首タオルから解放されると思うと、少し気が楽になった。
でもその首タオルスタイル···意外と私、気に入ってたんだよね。
汗が、とか思ったらサッと拭けるし。
髪が邪魔になったら、細めのマフラータオルなら結わえちゃえるし大活躍!
これからはオシャレ感覚でお掃除とかする時に首タオルしようかな?
可愛いタオルとかカッコイイタオルとか集めたりして!
あ、そうだ!
その第1号として。
Re:valeのライヴグッズのタオル貰おうかな??
って、余ってる訳ないよね···だってRe:valeだし。
でも、聞くだけ聞いてみよう。
千にラビチャでメッセージを送れば、驚くほどの速さで、あるよ、とひと言だけの返信が来た。
差し支えなければ1個欲しいなぁ···と最後にハートマークと付けて返信をすれば、今度はスマホが鳴り出した。
『もしもし、千?』
千 ー 愛聖、いつからRe:vale推しになったの? ー
『デビュー前から千も百ちゃんも好きだけど?』
千 ー フフッ、知ってる ー
······。
これがやりたかったのね。
『あのさ、千。差し支えなければお金はちゃんと払うから1つ譲って貰えるかな?岡崎さんに言えばいいなら私から連絡入れるからさ?岡崎さんの連絡先とか教えてくれたら自分で言うから』
千 ー 愛聖がおかりんに?···ダメ、そんな事したら、おかりんが舞い上がっちゃうから。僕達のグッズが欲しいなら、そっちに送ってあげるよ。あ、そうだ···僕も段ボールの中に入るから、僕ごとプレゼントって言うのはどう? ー
『生物配送ならクール便だけど、千···寒いの平気?』
とぼけたフリして言えば、千は通話の向こうで一瞬考え、笑った。
千 ー 愛聖が抱きしめて暖めて解凍してくれるなら、平気 ー
『グッズだけでいいから!』
素早く返せば、それはそれで千が笑う。
千 ー とりあえず、新しく作ってるグッズのサンプルも一緒にあげるから楽しみに待ってて?じゃ、今からリハーサル行ってくる。愛してるよ、愛聖··· ちなみに、行ってらっしゃいのキスはある? ー
『ありません!!』