第6章 BLESSED RAIN
❁❁❁ 陸side ❁❁❁
ナ「リク···ワタシの悲しみを聞いてクダサイ」
盛大にしょんぼりとした顔で、ナギがオレの肩に手を置いた。
「どうしたの?オレで良ければ聞くけど」
ナ「実はマリーが」
「愛聖さんが?」
ナ「······ワタシと遊んでくれません」
えっ、と······?
「それをオレにどうして欲しいの?一緒に遊んであげればいいの?」
話し相手とかが欲しかったなら、それはオレでも出来るし。
だって最近の愛聖さんは、暇さえあれば雑用みたいな事とかしてて、オレ達も手伝うって言っても自分ひとりで出来るから大丈夫だとか言ってさ。
この前、夜遅くに帰って来た時もたまたま廊下で鉢合わせたから声を掛けたら、にこにこっと笑ってスッと部屋に入っちゃったし。
なんだろう?
そう言えば首んとこが赤くなってて、虫に刺されたなら薬付けてあげようか?って言ったら、サッと手で押さえて痒いわけじゃないから平気だとか言うし。
···もしかしてオレ、自分が気付かないうちに愛聖さんになんかしちゃったかな?
だとしたら、理由を聞いて謝らないといけないし。
ナ「···ク?···リク?どうかしましたか?」
ナギの声に顔を上げれば、目の前にナギの顔が接近してて飛び退いた。
「ナギ近過ぎだって!びっくりするだろ?!」
ナ「oh···ワタシ何度もリクを呼びました···でも、難しい顔していて気付いて貰えませんでした」
え、何度も?
「それは、ごめん。ちょっと考え事しちゃって···ねぇナギ?最近の愛聖さんってさ、ちょっと変だと思わない?」
ナ「変、とは?」
首を傾げるナギにオレが思ってた事を話せば、それを側で聞いていた大和さんが笑い出した。
大「リク、愛聖にもいろいろ事情ってモンがあるんだよ。大人の事情がな」
「大人の事情って?」
大「うーん···リクはまだまだ、そういう事は知らなくていーの。頼むから、清いリクでいてくれよ?」
···意味がわかんないんだけど。
「清いって、それじゃ愛聖さんが清くないみたいじゃん?」
ナ「ヤマト!マリーはエンジェルです!柔らかな髪、白い肌、甘い香り···」
大「その言い方、なんかやらしいな」
ますます、意味が分かんなくなったよ···