• テキストサイズ

〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第6章 BLESSED RAIN


『楽!私をまっすぐ見て!』

楽の顔に両手を当てて、無理やり私の方に向ける。

そして、そのまま···何も言わずに唇を重ねた。

楽「っ!···愛聖やめろっ、て」

慌てて身を捩る楽をベッドに押し倒し、シャツの裾から手を差し入れ肌を撫で上げる。

楽「く···っ、やめろ、愛聖!」

『やめない』

力じゃ叶わないのが分かってるから、横たわる楽に跨り、ゆっくりとボタンを外して胸元を晒していく。

楽「なに、してんだよ!」

瞬間、景色が反転して立場が逆になってしまう。

でも、さっきみたいな怖さは微塵もなくて···スッと目をそらす楽を見て笑ってしまった。

楽「···なに笑ってんだ」

『別に?ね、それよりもビックリした?』

楽「それなりにな」

『私にバリバリ食べられちゃうと思った?』

楽「···ノーコメントだ」

いつまでも笑いながら言う私を見下ろして、楽は自分がイタズラされた事に気が付き眉を寄せた。

『っしょっと···はぁ、ドキドキした』

楽「お前が言うな」

起き上がってあちこちを整えながら言えば、ため息混じりに楽が私を見た。

『でも、これでおあいこだからね?だから、いつまでもウジウジするの、やめて。私が知ってる楽は、ちょっとだけ意地悪で、いつも自信満々で、威張りんぼで、抱かれたい男No.1で、えっと、それから···あ、そうそう!ちょっとだけ意地悪で』

楽「お前、意地悪を2回言ってるのはワザとか?」

寄せた眉を更に寄せる楽に、そうだっけ?と笑って見せる。

『とにかく、今みたいにウジウジ、クヨクヨ、メソメソ泣いてる楽は楽じゃないんだから、もう泣かないで?』

楽「泣いてねぇよ!」

もう、大丈夫···かな。

いつもの楽の返しに戻ってるから。

『今日の事は忘れる。私にも非があるんだし、今のでお互い様のおあいこ。分かった?約束!』

楽に小指を差し出せば、躊躇いながらも楽がそこに指を絡める。

『よしよし、お利口さん』

そっと頭を撫でると、楽は少し拗ねて子供扱いすんじゃねぇ、と横を向いた。

『じゃあ、今度はほんとに帰るね?龍を待たせてるから』

楽「愛聖···悪かったな」

横を向いたままで、楽がぽそりと呟く。

『また今度、美味しいご飯···期待しとく』

にこりとして、私はそっと部屋から出た。



/ 1350ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp