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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第6章 BLESSED RAIN


万理や千も、いまの龍みたいに同じ事をするけど。

それは私が子供の頃からずっとだし。

···あれ?

二階堂さんや三月さんからも、頭ぽんぽんはよくされてる気もするけど。

それって、私ってどこにいてもお子様扱いってこと?

楽だって、前はよく···俺より歳下のお前はお子様だとか言って···

でも、今日は違った。

楽は今日、初めて私に···男の顔を見せた。

鏡に映る自分を見て、首筋や胸元に咲いた紅いシルシにそっと触れてみる。

あの時の楽は、切なそうな顔をしながらも···私を···

あんまり深く考えないようにしよう。

楽だってお酒飲んでたし、そもそも私が千や百ちゃんの忠告を聞かなかったんだから、私が全部悪いんだから。

せめてこのシルシが消えるまでは、千達に会わないようにしないと。

もそもそと身支度をしてメイクも直し、龍に言われたように髪を片側に寄せて緩めのフィッシュボーンに編み込んだ。

これなら、きっと見えないよね?

鏡に映る自分を、何度も角度を変えては確認した。

じゃあ久々に、アレ···やってみますか。

落ち込む度に、部屋で自分を奮い立たせる為にやってたこと。

あんな事があってから、最近しばらくはご無沙汰だったけど···

大きく深呼吸して、鏡に映る自分を正面から見据える。

『佐伯 愛聖!下を向くんじゃない!しっかり顔を上げろ!』

···はい!

よし!これで大丈夫。

両手をグッと握ってから自分の胸に重ね合わせ、もう大丈夫だと言い聞かせた所で、静かにドアが開けられた。

天「···いまの、社長の真似のつもり?」

『て···天?!』

見られた···っていうより、聞かれてた?!

天「そんなに社長の怒号が恋しくなった?」

クスッと笑う天を見て、顔の熱が急上昇する。

···は、恥ずかしい!!

『あ、えっと?今のは自分をしっかり立たせる為の掛け声というか、おまじないみたいな?···あ、それより天、これ···ありがとう』

天にカーディガンを渡すと、天はひとつ息を吐いて袖を通した。

天「龍が待ってる。ボクは、まだ少し楽と話す事があるから一緒には行けないけど···」

『うん···大丈夫。それから、楽を責めないでね?楽は何も悪くない、悪いのは···私なんだから』


















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