第6章 BLESSED RAIN
❁❁❁ 龍之介side ❁❁❁
天に呼び出されて、楽の家まで車を走らせた。
楽のマンションの地下駐車場にある来客用の場所に車を停めると、天は車を降りてすぐに楽の車のボンネットに触れた。
天「エンジンルームの熱が抜け切ってない。愛聖が楽を送ってから、それほど時間が経ってないって事だね」
「って事は、まだ愛聖がいるって事?」
オレがそう聞き返せば、天はそれ以外にないでしょ?と小さく息を吐いた。
天「とりあえずは楽の部屋に行こう。愛聖をひとりで帰らせる訳には行かないし、万が一にでも電車で帰るなんて言い出したら、それこそ大変だから」
それを聞いて、確かに愛聖なら平気だからとか言って公共機関で帰りそうだと苦笑した。
各階に直行できるエレベーターに乗り込み、楽の部屋があるフロアまでは途中で止まることなく一気に上がれた。
廊下を早足で歩き楽の部屋の前に着くと、天が急に立ち止まった。
天「龍、待って。愛聖の声が聞こ、」
『楽、やめて!!』
「いまのって、愛聖の声だったよな?」
なんだ今の、こう···切羽詰まった感じの、っていうか···
天「鍵は閉まってる。仕方ない、反応があるまでこれを鳴らす」
そう言って天がインターフォンを連続で押し続けると、遂にはインターフォンのモニターランプが点いた。
楽「···天?それに龍も···何かあったのか?」
天「それを聞きたいのはボクの方。楽、今から3秒以内にドアの鍵を開けて···1···2、」
天がカウントダウンを始めると、すぐに鍵が開く音がして天がノブを掴みドアを引き開けた。
そこにはシャツを羽織った状態の楽がいて、噎せ返るような色気を纏う姿に同性のオレでも楽の色気に当てられそうだと思わず目を逸らしそうになる。
天「愛聖はまだいる?」
単刀直入に天が聞けば、髪をかき上げながら楽はチラッと部屋の中に視線を泳がせた。
楽「いる、けど···」
同じように部屋の中に視線を移した天がスッと表情を変え···1度オレの顔を見てから楽を見た。
天「·合意じゃ、ないよね?」
珍しく躊躇いがちに言う天に疑問を覚え、オレも何気なく愛聖を見れば···その姿に愕然とした。
ウソだろ···楽···
天「答えて、楽」