第6章 BLESSED RAIN
❁❁❁ 楽side ❁❁❁
なに、やってんだ···俺。
目の前のコイツは仲間で。
もし···一線を超えてしまったら、その関係もどうなるのか分からない。
なのに、冷静になろうとすればするほど···欲しくて堪らなくなっていく。
俺はこんなガツガツしたヤツだったか?
愛聖の···捩れたルージュを指先で掠め取りながら、もう一度、いや何度でも···この唇に触れたいと思ってしまう。
「···愛聖」
静かな空間で名前を呼べば、愛聖は微かに揺れる瞳で俺を見る。
このまま抱いたら、お前は怒るだろうか。
それとも、泣かれてしまうだろうか。
·········嫌われて···しまうだろうか。
戸惑いながらも、少しずつ愛聖の素肌を暴いていく。
『楽、もう···いいでしょ?やめて、そんな顔しないで···』
胸元をはだけさせたまま愛聖が起き上がり、その白く細い肩からブラウスが抜け落ちた。
『今夜の事は、全部···私が悪いんだから。だから···ごめん』
「違う。俺は本気でお前を······抱きたいと思ってる。だからこのまま···お前を抱く」
『ちょ、楽?!』
起き上がったばかりの愛聖をもう一度ソファーに押し沈め、反論出来ないように深く口付ける。
『は、ぁ···楽、やめて』
深いキスの合間に漏らす愛聖の苦しげな吐息さえ飲み込むように、何度も、何度もそれを繰り返しながら自分のシャツのボタンを外していった。
顔を背けた愛聖の首元に顔を埋めれば、愛聖がハッと息を飲むのが伝わって来た。
「出来るだけ、優しくするから」
耳元で囁いて、甘い香りに吸い寄せられるかのように首筋や胸元に紅い華を咲かせていく。
『やめて、よ···楽···お願いだから···』
力なく押し返す腕を掻い潜り、愛聖の背中に腕を滑り込ませて···胸を覆う下着のホックをプツリと外した。
『っ、楽?!···楽、やめて!!』
愛聖の叫びと同時に乾いた音が響き、頬に伝わる
痛みに···顔を歪める。
『あっ···楽···ごめん、なさい···』
零れ落ちそうな涙を堪える愛聖を眺め、自責の念に襲われた時、けたたましいほどのインターフォンが
鳴り出した。