第6章 BLESSED RAIN
❁❁❁ 天side ❁❁❁
さっき愛聖から届いたラビチャの内容に、ひとり
眉を寄せる。
なんで楽と2人で食事?
あぁ、そうか···楽が今夜予定があるって言って龍の誘いを断っていたのは、愛聖との約束があったからなんだ?
ま、それは別にいいとして。
そこにRe:valeとマネージャーが合流して···正確には、たまたま鉢合わせたみたいだけど。
Re:valeの2人にお酒飲まされた楽を愛聖が送り届けるとか、ありえない。
更に言えば、明日は仕事があるっていうのに自力で帰れないほど飲むとか···自覚ないんじゃない?
しかも、車で出掛けてるのに。
大先輩でもあるRe:valeから勧められたら断れないのは分かるけど、その席には愛聖だっていたんだから···どうにでも断る口実あったんじゃない?
その愛聖から、楽が万が一、寝坊でもしたら困るから仕事の時間を教えて欲しいって···呆れて何も言えない。
けど、とりあえず愛聖に非はなさそうだから明日は楽をマネージャーが迎えに行く手配だけはしてあげようかな。
責任を感じてボクに連絡して来た愛聖に免じて···だけど。
その旨を返信して、そのままマネージャーにも連絡を入れる。
するとすぐに返信が来て、龍を迎えに行ったら楽を拾うからと書いてあった。
その後にボク、か。
明日、楽に会ったら···開口一番に言い訳を聞いてあげることにしようか。
お説教タイムは、その後に。
そう言えば···
楽を送った後、愛聖はどうやって帰るんだろう。
事務所の誰かに迎えに来て貰うの?
でもそれだと、易々と楽の家を教えてしまうんじゃ···
愛聖の性格からして、その辺は気を使うだろうけど···まさか、公共機関を使うとか考えてない?
あまり考えたくはないけど···有り得る。
けど、ボクひとりじゃどうにも動けないし。
誰かに頼む?
でも、誰に?
そうだ、龍ならまだ確実に起きてる···よね。
こっちも飲み倒れてなければいいけど。
アドレスを開き、辿った名前を指先でクリックする。
何度かのコール音の後、爽やかさを全面に出した龍の声が聞こえた。
「もしもし龍?ちょっと···ボクのお願い、聞いてくれる?」