第6章 BLESSED RAIN
百「オレよく分かんないけどさ、結局マリーと楽の内緒話ってなんだったの?」
『それは今から説明するよ』
楽「説明するのかよっ?!」
まぁまぁ、と楽を宥めて車の鍵を取られないように私の胸の中にしまう。
ここなら誰も、手を突っ込んでまで取らないだろうから。
『楽はね、私が千の家に泊まった時に一緒にベッドで寝てるって話したらびっくりしてた。それで、そういう関係なのか?って聞かれたから、毎回そうだけど?って答えたら、更に驚いてて』
千「へぇ···そういう事か、なるほど」
私の話を聞きながら、千が楽を見て小さく笑った。
百「なになに?どういうこと?」
千「楽くんは愛聖が泊まる度に、僕と愛聖が···フフッ」
千、楽しそう···
百「泊まる度に、なに?」
千「だから、僕が愛聖と仲睦まじく···と思ってたってこと」
楽「それは、その···俺の勘違いというか」
千「愛聖が望むなら僕は構わないけど、連泊した時に毎日は···体力持たないかもね。もちろん、愛聖が僕を必要とするなら頑張るけど」
···頑張らなくていいですからね。
そもそも私、そういう経験···ないし。
あれ···そういう経験ないのに千や万理とは普通にベッドで寝ちゃってるけど、それは大丈夫な感じなの?
前回の千の家でなんて、千と百ちゃんと3人でベッドに入っちゃったけど?!
その時は、寝付けなくて途中から抜け出しちゃったけど。
百「えぇっ?!ユキばっかりズルい!オレも混ぜてよ!みんなで参加した方が楽しいじゃん!!大人だから順番守ればいいだけだし!楽だって混ざりたいよな?!」
楽「はっ?!」
『えっ?!』
もしかして百ちゃん、ちょっと勘違いしてる?
『百ちゃん、もしかして百ちゃんが言ってるのって、ゲームとかの事?』
だって順番守ればとか、そういう関係で順番って、なんかちょっと···ねぇ。
百「あれ、違うの?オレてっきりゲームかと思ってたけど。だってユキんち行ってユキが仕事部屋に引きこもったらやる事ないし、そういう時ってゲームしたりテレビ見たりしてるし?」
千「違うよモモ。楽くんが言いたかったのは、そういうのじゃない···僕と愛聖が、」
『わーっ!わーっ!千ストップ!それ以上は言わなくていいから!』