第6章 BLESSED RAIN
❁❁❁ 楽side ❁❁❁
なんで···こうなる。
たまたま来店したRe:valeの2人と、そのマネージャー。
いや、マネージャーはどうでもいい。
問題は···この2人だ。
千「愛聖の隣は僕ね」
百「ズルいユキ!オレもマリーの隣がいい!」
千「じゃあ、モモは反対側に座れば丸く収まるだろ?」
『ちょっと2人とも···くっつき過ぎて狭いから』
なんで俺の向かい側に3人並んで···正確には4人並んで座ってんだよ!
俺は面接官か!
岡「あ、あの···なんだかすみません。この2人は言い出したら聞かない所が時々ありまして···」
「いや、別に構わない。とりあえず、先輩だから···」
そう。
そこがやりにくい関係性でもある。
「愛聖、とりあえずお前は俺の隣に来いよ。じゃないと、バランス悪いだろ···」
『だって千と百ちゃんが』
千「じゃあ、モモが楽くんの隣に行けばいいんじゃない?」
おいおい···
岡「では、自分はこっちに移動します」
気を使ってか、1番下座にRe:valeのマネージャーが移動する。
百「ユキ···そんなにオレを売り飛ばしたい?」
千「ごめんよモモ···僕が甲斐性ないばかりに···」
目の前で繰り広げられる夫婦漫才に軽く息を吐き、今のうちにこっちに来いよと目線を送る。
『ほら、千も百ちゃんもラブラブなのは分かったから!その辺にしとかないと楽が拗ねるよ?』
「なんで俺が拗ねるんだよ!」
『え?だってさっき、私が千と一緒に寝、フガッ···』
やめろ!
その話はいま言うな、ややこしくなる!
慌てて手を伸ばして愛聖の口を塞ぎ、ちょうどいいとばかりに引き寄せた。
『ちょっと、なに?』
小声で訴える愛聖の耳元に顔を寄せて俺自身も自然と小声になる。
「アホかお前!本人を目の前にしてその話振ったら面倒なことになるだろうが」
『大丈夫じゃない?』
···どこまで天然なんだコイツは。
そう思いながら顔を話せば、冷やりと突き刺さる視線を感じてフッと前を見る。
千「ねぇ、誰が···面倒なの?」
マジかよ···既にバッチリ聞かれてるじゃねぇか。
『だからそれは、』
「言うなっての!」
再び愛聖の口を押さえれば、冷やりとする視線に磨きがかかった。