第6章 BLESSED RAIN
楽「じゃあ、前に言ってたように昔馴染みなだけなんだな?」
『だからそうだって言ってるのに。しつこいよ楽』
さっきからずっと、千のことを聞かれて···疲れた。
楽「で、百さんに軽く食われたのはなんだ?」
···。
『だからそれも、ちょっといろいろあっての事だから。私がうっかりしてただけだし、なんでもないし。っていうか、なんでそんなに聞きたいの?···あ、分かった···そうか、そうだったのかぁ···へぇ···』
楽「な、なんだよ。もったいぶってないで言えよ、気になるだろ」
『じゃあ、言う。そんなに私のこと知りたがるとか···楽って私のことが大好きなんだ?』
楽「ばっ、バカじゃねぇの!違う!」
あからさまに違うとか言われると、自分でネタ出しといてもキズつくなぁ。
『違うの?なんだ···抱かれたい男No.1の八乙女楽さんに大好きだと思われてて光栄だなぁとか思った私が勘違いだったとか···愛聖ちゃん、ビックリ!なんてね』
テヘッと笑いながら楽を見て、カランと音を鳴らすグラスに誘われながら喉を潤した。
楽「お前···俺で遊ぶなよ」
いいじゃない別にと笑って、グラスの水滴が気になり、ハンカチを出そうと鞄に手を入れた時スマホが震えた。
『あ、電話が···ごめんね、ちょっと通路に』
楽「いや、俺は構わないから」
そういう訳にもいかないでしょ?と構わず席を離れた。
着信相手は···二階堂さん?
珍しい相手からの着信に、はて?と思いながら通話ボタンを押した。
『もしもし?』
環 ー あ、えっと···俺だけど ー
あれ、二階堂さんじゃない?
この声は···
『四葉さん?』
環 ー ぅす···えっと、いま電話平気?マリー、お取り込み中ってやつじゃない? ー
『お取り込み中?って、別に平気だけど』
環 ー ヤマさんがラブラブお取り込み中だったら切れよって言うから ー
···ラブラブお取り込み中?
二階堂さんは···四葉さんになにを確認させてるの!!
『えっと四葉さん?二階堂さんに、セクハラですよって伝えておいて。それで、四葉さんから電話くれるとか、なにかありました?』
環 ー それそれ!今日、学校で小テストあった。で、この前マリーが教えてくれたトコがいっぱい出て、平均点より上···取れた ー