第6章 BLESSED RAIN
❁❁❁ 千side ❁❁❁
百「ユキ~、オレ腹減った!ユキんちまで待てないよ!」
「僕の家?今日は冷蔵庫に肉はないけど」
百「えぇっ?!あぁもう!腹減って死ぬ!」
死ぬと言われても、仕事が押してて終わったばかりだと言うのに。
全く、モモは···
「分かった。今日はこのまま帰りに何か食べて帰ろうか?おかりんがいるから運転手はいるし、モモの希望があればお酒も飲めるんじゃない?」
百「マジで?!」
岡「明日も仕事ですから、飲み過ぎないって約束してくれるならいいですよ?」
百「するする!約束する!」
じゃあ決まりだね、といって、場所はどこにしようか?なんて着替えながらおかりんと話を進める。
岡「さすがにRe:valeが2人揃って来店となると、ちょっとした騒ぎが起きますからね···せめて個室対応とかあるお店じゃないと」
個室対応···そう言えば前に楽くんから聞いた店があったな。
彼がその場で送ってくれたメッセージを遡って探し、その画面をおかりんに向けた。
「おかりん、ここの店なら全室個室対応らしいから電話してみて」
岡「へぇ、よくこんな場所をご存知でしたね」
「TRIGGERの楽くんから聞いた。彼らも時々行くらしい」
岡「なるほど!TRIGGERが来店ってのも、そういう対応がある店じゃないと騒ぎが起きますね。分かりました、すぐ電話してみます」
わりとよく食べに行ってるとか聞いたから、今日もいたりして。
なんて、それはないか。
彼らは彼らで、忙しそうだしね。
岡「予約取れました!肉料理がお勧めらしいので、とりあえずそれは先に注文しておきました」
百「やった!ユキ、早く行こう!」
「···そうね」
いそいそと荷物を纏めながら、あっ!と小さく声を上げてモモが僕を振り返る。
百「肉料理がお勧めって···ユキ、食べられるものあるかな?」
「大丈夫。なかったら帰りにたんぽぽでも摘んで食べながら歩くよ」
百「たんぽぽ食べ歩き?!いやその前にせめて茹でようよ!」
岡「心配すべきはそこですか?!」
だって生食はダメじゃん!と返すモモを見て笑う。
百「ユキ?」
「冗談だよ、モモ。さすがに食べ歩いたりしない、行儀悪いから」
岡「食べるのは食べるんですね」
「フフッ···そうね」
じゃ行こうかと促して、僕はドアを開けた。