第6章 BLESSED RAIN
楽「だから!お前の日常には、そんなオプションが付いてんのかよ」
『オプションって···寮にはハーフの人もいるし、その人からしたら挨拶ってそんな感じでしょ?それ以前に千とか百ちゃんとかは昔からそうだよ?あと姉鷺さんとか』
楽「あの2人組は普段からボディタッチが過剰なんだよ···ついでに言えば、お前に関しては過保護だ」
過保護って言われても、私が子供の頃はそんな事なかったんだけどな。
私が転んで擦りむいて泣いても、舐めとけば治るだろ、痛いのは生きてる証拠···とか言って万理に怒られてたし。
同じ状況なら、万理の場合は即座に消毒やら絆創膏やらしてくれたし。
そういう意味では、千より万理の方が過保護···だったかも?
『あ、でも!千は姉鷺さんみたいにギューってして頬にキスとかないよ?···あれ?あるかな?···あるわ、たまに』
楽「あのな、この際だからよーく言っとくけどな?姉鷺は見た目はアレだけど中身は男だからな?のほほんとしてるとそのうち頭からバリバリ食われるぞ?」
姉鷺さんが私を頭からバリバリと?
···想像つかないけど。
どっちかって言うといつもお姉さん的な感じだけど?
『ないない、百ちゃんじゃあるまいし···って、あ···』
ヤバ、口が滑った!
ハッとするも遅く、顔を上げれば楽の箸がピタリと止まったままだった。
楽「まさかお前、も···百さんに、食われたのか?」
『バ、バリバリとかは、ない···かな?』
楽「···バリバリじゃないのは、あるって事か?」
『そもそもバリバリ食われるって、どんな?』
楽「それは、だな···えっと、アレだ。年頃の男と女が同じ部屋にいたら自然とそうなるだろ」
···それって、つまり。
『ベッドで一緒に寝る···って、こと?』
楽「お前、意外とダイレクトに言うんだな」
『ダイレクトってなにが?でもそれくらいなら私、千の家に泊まったら毎回そうだけど?』
楽「毎回?!」
千と一緒に寝てるか、そこに百ちゃんがいるか、違いはそれくらいだし。
楽「お前が千さんとそういう仲だったのは、知らなかったな」
『え?だって私が子供の頃からよく一緒に寝てたし、お互い今更って感じだけどな』
楽「子供の頃から?···って、え?」
『···え??』
楽「一応聞くけど、お前···千さんとどんな関係だ?」