第6章 BLESSED RAIN
TRIGGERのメンバーなら同じ事務所だったからって分かるけど、まさかRe:valeのメンバーとも···そうか!
共演とかしてたから、それなりに仲良くなってって言うのは業界ではよくある事みたいだけど。
泊まりがけの···仲良しって···
「もしかして、愛聖さんの恋人って···千さん、とか?」
頭で考えていた事が、つい···口から零れ出してしまう。
『私が千の?ないない、それは絶対ないよ』
「でも、泊まりがけの外出するくらいだから···とか。あ、ごめんね!女性のプライベートの事なのに」
『別に気にしてないから。それにあの日は社長も私の行先をちゃんと知ってるし、千の家に泊まったけど百ちゃんもいたから。千が作ってくれたご飯を3人で食べて、順番にお風呂入ってから百ちゃんとゲームしたりして、それから3人で一緒に千のベッドで寝ただけ』
えっ?!
なんかいま、サラッと凄い発言を聞いてしまった気がするけど?!
3人で、一緒にって···
『あ、逢坂さん?その顔だと何か勘違いしてるみたいだから念の為にお話しますけど、Re:valeの2人はデビュー前からの知り合いで、万理が言うところの腐れ縁って感じだから』
「あ、うん。大丈夫だよ」
ちょっと、激しく動揺しちゃったけど。
『それに、私が子供の頃を千は知ってるし、スッピン晒しちゃってるし···きっと私の事なんて女だと思ってないよ、アウトオブ眼中!って』
「さすがにそれはないと思うけど?だって愛聖さんってノーメイクだと可愛らしいし、今みたいにメイクしてると、その···キレイだし」
いつだったか陸くんが言っていたことを思い出しながら、僕もそれと同じ事を伝えてみる。
『···逢坂さんにスマートにそんなこと言われたら···照れます···社長といい、逢坂さんといい···今日はなんだかそういう日、なのかな···』
一瞬の間を開けてスッと横を向いてしまう愛聖さんがまた可愛らしいと思えて、僕もつられて照れてしまいそうになるのを堪えながらティーポットを傾けた。
「だけど、本当のことだから···あ、まだ時間あるならどうぞ?」
そう言ってカップに注いだハーブティーを差し出し、にこりと微笑んで見せた。