第5章 ヒカリの中へ
❁❁❁ 壮五side ❁❁❁
大「リクが愛聖のどんな想像してても構わないけど、さしあたっては寝コケてるコイツをどうすっかだな」
陸「だったら、このまま愛聖さんを部屋まで運んであげたらいいんじゃないかな?」
あっ、それは···
一「あなたバカなんですか?例え眠ってるから運ぶと言っても、女性の部屋にはいそうですかと入るつもりですか」
自分の代わりに言ってくれる一織くんに小さく頷きながら陸くんを見た。
環「でも、そしたら床とかソファーに放置か?」
環くん···それは例え僕だとしても、嫌かも。
陸「じゃあ、とりあえずオレの部屋だったら平気?ちゃんとキレイに掃除してるし」
一「ではお聞きしますが。もし、七瀬さんが体調不良になったら、七瀬さんはどこで寝るんです?」
一織くんの言う通り、もし陸くんがと思うとそれも賛成は出来ない。
「だったら僕の部屋はどうかな?」
大「ソウの?」
「僕の部屋で良ければ、とりあえずはそこに。もちろん僕が部屋にいる時はドアを全部開けておくし、部屋を出る時はドアは閉めるから」
ナギくんの部屋だときっとナギくんはその場から離れないだろうし、環くんの部屋は、まぁ、今から掃除しないと難しいだろうから。
一「いえ、でしたら私の部屋にしましょう。逢坂さんの部屋は確かに清潔ですが、きっと四葉さんが入り浸ると思いますので。学校の課題はありますけど、ここでやればいいだけですから」
学校の課題?
「環くんは一織くんと同じクラスだよね?じゃあ、環くんも課題があるんじゃない?」
何気なく環くんに聞けば、プリンを掬う手がピタリと止まった。
課題···あるみたいだね。
「一織くん、ひとつ提案があるんだけどいいかな?」
一「なんですか?」
「愛聖さんは一織くんの部屋に運んで、その課題って言うのを僕の部屋でどうかな?環くんもまだ手を付けてないみたいだし、僕が教えてあげられる事があれば手伝うよ」
三「おぉ、壮五が勉強見てくれるなら安心だな環。しっかり教えて貰えよ?」
大「そんじゃ、ソウの提案を飲んでそれぞれ動きますかね。イチのベッドに寝かせるのはひと苦労だけどな」
三「寝相悪くて落ちなきゃいいけど」
そう言って大和さんが愛聖さんを抱き上げて、一織くんとリビングから出て行った。