第5章 ヒカリの中へ
画面の中では、小さな子供と海辺を散歩する···映画の中の私と百ちゃんがズームアップされていた。
映像は次々と流れて、子供を抱き上げた百ちゃんと私が···夕陽に照らされながら幸せそうに微笑み合った。
陸「愛聖さん、凄いキレイ···」
『そんなお世辞言ってもダメですからね!···スキあり!···あっ!!』
よそ見をしている七瀬さんからリモコンを取り上げてしまおうかと踏み出せば、床に置かれていたペットボトルに足をかけてバランスを崩してしまう。
一「危ない!」
大「リク!受け止めろ!」
陸「あ、はい!って···わぁ、っ!!」
それはまるで、私が七瀬さんに抱きつく形になり···そのまま2人で床に転がってしまう。
壮「2人とも大丈夫?!」
陸「いったたた···ちょっとビックリしたけど何とか大丈夫です」
『ごめんね七瀬さん···でも···プッ···フフフっ
···』
昨日の百ちゃんの時もだけど、何だか私···こんな事ばっかり。
そう思うと可笑しくて、つい···笑いが出てしまう。
三「···笑ってる?」
大「打ちどころが悪かったか?」
一「逢坂さん、急いで救急箱を!」
ナ「イオリ、氷は必要デスカ?」
次々と私の顔を覗きながら、みんなが慌て出す。
『違うんです···なんか可笑しくて』
万理と再会して。
小鳥遊社長が居場所をくれて。
家がないのは不自由だろうからと入寮を勧めてくれて。
そこには···みんながいて。
『大体にしてどうしてこの映画を見てたんですか···』
三「壮五と大和さんがレンタルビデオ屋寄ったら見つけたらしいぞ?」
いつもみんなのお兄さん的存在の三月さん。
壮「違うものを借りようと店内に入ったら偶然見つけて···」
物腰が柔らかくて、誰に対しても優しく接してくれる逢坂さん。
大「そうそう。で、これは見る価値あんだろってソウと借りてきた」
どんな事ものらりくらりと交わしながらも、本当はメンバー思いの二階堂さん。
環「ヤマさんが借りようとしてたビデオって、もしかしてエッチなやつ?」
不器用な所はあるけど、まっすぐな心を持ってる四葉さん。
陸「えっ、そうなんですか?!」
天然っぽい受け答えで笑わせてくれる七瀬さん。
ナ「ヤマト···それを見る時は、マリーが留守の時にシマショウ?」