第5章 ヒカリの中へ
百「マリーが作ってくれるとかは?あぁ、アハハ···」
私が料理下手なのを考えて苦笑を見せる。
『でしょ?それに、そろそろ私も帰る支度しないと、ね?』
百「えっ、もう?だってユキまだ寝てるのに?」
帰る事を言えば、百ちゃんは驚きながら私と千を交互に見る。
『だからかな?千が起きてからだと遅くなりそうだし、それに···住んでる所まで送るとか言い出しそうだから』
百「だったらオレが送ってくよ。ユキの車使っても大丈夫だし、それに1人で帰すわけには行かないだろ?」
『それも大丈夫。万が一、そんな所をどこかに撮られたらRe:valeの一大事でしょ?だから来た時と同じように電車で帰るよ』
ここに来る時だって、もしもを想定してタクシーを使わずに公共機関を乗り継いで来たし。
帰る時も同じようにすれば何も問題はない。
百「これからはいつでもみんなと会えるんだよね?」
『そうだね···あ、でもRe:valeみたいに超絶売れっ子になっちゃったら忙しくて大変かも?』
そうそう仕事なんて舞い込むわけがないけどね~?と付け足せば、だったらまたお泊まり会しよう!と百ちゃんは笑っていた。
『じゃあ、着替えて来るから覗いちゃダメだよ?』
百「覗かないし!···約束は出来ないかもだけど!」
『覗いたら絶交ね?』
百「それはヤダなぁ···」
だったら覗かない事!と言ってお互いに笑いながら部屋へと戻った。
百「ホントにここで?せめて下まで送るよ」
玄関まで着いて来て言う百ちゃんに、首を横に振る。
『ここでいいよ。千が起きたら、また連絡するからって伝えて?』
百「分かった···あのさ、マリー。昨夜の事だけど」
『もう忘れた!なんかあったっけ?』
思いっきり笑顔で返せば、百ちゃんは···そっか、なら···いいや···って言いながら一緒に笑った。
『でも、今度ご褒美が必要な時は王様プリンをプレゼントするね?すっごい美味しいんだから!』
百「王様プリン?なんか名前だけでも美味そう!」
でしょ?と言ってまた笑いながら、じゃあ···帰るね?と靴を履いた。
百「今度はオレんちにお泊まり会しよう?」
『百ちゃんが一晩中、ジェントルでいられるなら考えとく。それじゃ···またね?』
そう言って手を振りながら、千の家のドアを閉めた。