第5章 ヒカリの中へ
はぁ···
ベッドに入ってから、数え切れなくなってきた数のため息を吐く。
隣には、すぅすぅと寝息を立てる千と。
反対側には、時折おかしな寝言を言う百ちゃんがいて。
その間に···私。
寝れるわけがない。
そもそも、どうしてこんな事になったんだろう。
そうだ···千がごく当たり前のように···
千「もう遅いから、そろそろ寝ようか···うさぎさん?懐中時計のネジは巻いたかい?」
···なんて、万理から貰ったパジャマ姿の私を見て微笑みながら千が言って。
百「今日はユキのベッドに3人だね!」
と、ウキウキしながら百ちゃんが言って。
千「じゃあ、愛聖は僕の隣ね」
百「えぇっ~!ユキばっかりズルい!マリー、オレの隣に来なよ!」
ってなって。
両方の隣って言うのを考慮すると···自動的にこうなるよね。
一応、抵抗はしたけど。
世をときめくRe:valeと一緒に寝るとかありえないし、さすがに3人でベッドは狭いでしょ?私はソファーでいいからって。
百「なんで?せっかくだから一緒に寝ようよ!お泊まり会!パジャマパーティ!ね?!」
千「ウチのベッド、3人で寝ても余裕あると思うけど?···特注サイズだし。愛聖がソファーで寝るって言うなら、僕もそこで寝る」
百「じゃあオレも!」
···こうなるともう、何を言っても聞かないのが千で。
結果、現状ってワケで。
ベッドに入れば入ったで、しばらくは2人が腕枕やら抱き枕代わりやらでキャッキャとしてて、先に百ちゃんが睡魔に負けて眠りについた。
それから少しして、千も寝落ちた。
私もうとうとしてたけど、コロンと寝返りを打った先に百ちゃんの顔があってびっくりして、無理やり目を閉じて寝よう寝ようと思えば思うほど、余計に寝れなくなった。
あの時、百ちゃんは何を考えて···あんな事を···
何となく百ちゃんに背中を向ければ、そこには静かに寝息を立てる···千。
千「···ん······」
うぅ···落ち着かない。
ダメだ、一旦ベッドから出て頭の中をリセットしよう。
···外の空気に当たろう。
2人共これだけ寝付いてれば、ベッドから抜け出しても大丈夫だよね。
そう思って、2人を起こさないように···そっと静かにベッドを出た。