• テキストサイズ

〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第5章 ヒカリの中へ


傍から見たら、まるで恋人同士···大幅に譲ってもドラマのワンシーンみたいな千さんの言動だ。

いくら愛聖が子供の頃からの知り合いだとしても、構い方が···なんだ?

なんでオレは···こんなにイラついてんだ?

チッ···と軽く舌打ちしてから、改めて画面の中を見る。

「佐伯 愛聖」

『は、はいっ!あ···楽か···ビックリした···』

なんでそんなに驚くんだよ···電話繋がってんの聞いてただろ。

オレは幽霊か何かか?と言ってやろうとして、それよりも早く声を出した愛聖の言葉に眉間にシワを刻んだ。

『八乙女社長に···呼ばれたのかと思った』

「はぁっ?!なんでだよ!」

龍「楽、落ち着けって!社長と楽は親子なんだから似てても仕方ないだろ?」

『ごめん楽!その、社長が怒って私を呼び出す時って、いつも佐伯 愛聖 ってフルネームだったから、つい···』

あぁ、そういや確かに···と思いかけて、それ以前の事に笑いが漏れた。

「つーかお前、なんでオレが電話しても出ねぇんだよ。どんだけオレが嫌いなんだ、あ?」

電話もラビチャも音信不通、それはRe:valeのおふたりさんも同じだったのに、部屋に連れて帰る程に愛聖とコンタクトが取れた。

『私はちゃんと、楽のことは好きだよ』

···なっ、···まぁいい。

「オレの事はちゃんと好きってなんだよ」

散々心配かけたヤツに、仕置と称して意地悪な返しをしてやる。

『だから、好き···』

それが地雷を自分で踏んだ事に気づかされるのは直後だった。

擽ったい言葉に緩む顔を咄嗟に片手で覆い隠す。

『もちろん龍も好き』

龍「アハハ···ありがとう。なんか照れるな···」

照れてんじゃねぇよ!

つか、みんな同レベルかよ。

千 ー 愛聖。僕の前で他の男に好きだとか、妬ける ー

妖艶に微笑む千さんに愛聖は困り笑いをしながら千さんを見る。

『千には大好きってさっき言ったよ?』

百 ー オレも!オレもユキと一緒に言われた! ー

『うん、百ちゃんも大好き』

同レベルじゃなかった!!

何気なく勝ち誇った顔を見せる千さんに、思わず苦い顔をする。

愛聖。

お前、今度直接会ったら覚えてろよ···











/ 1348ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp