第5章 ヒカリの中へ
❁❁❁ 楽side ❁❁❁
龍「あ···千さんからラビチャが来た」
1日の仕事が終わり、オレの部屋でくつろぐ龍がスマホを開く。
龍「···愛聖の写メだ!!え?千さんも一緒に写ってる」
「なんだって?!龍、オレにも見せてくれ」
パッと向けられる画面を見れば、そこには俯きながらも千さんと並ぶ愛聖が写っていた。
「他にメッセージはなかったのか?」
龍「あったけど···楽が写メ見せろって言うから」
そう言いながら画面を元に戻した龍が文字を目で追って行く。
龍「詳しくは電話で···とだけ」
「掛けろ」
龍「分かってるって。そんなに急かすなよ」
いや、急かすだろ普通。
あんなに探してた愛聖が、さっきの千さんの話の後に写メで送られて来たら気になるだろ。
龍「あ、もしもし十です。すみません急に···はい、見ました。それで、今もそこに愛聖はいるんですか?」
電話口から漏れる百さんの声に、それとなく耳を済ましてしまう。
龍「本当ですか?!あ、ちょっと待って下さい、楽も一緒なんでテレビ電話に切り替えます」
龍が言って、ピッと指先で操作をした後にクリアに聞こえる百さんの声と···ここは、千さんの部屋?
百 ー ほらマリー、早く電話変わって?龍が待ってる ー
『でも···』
千 ー 愛聖、楽くんも龍くんも怒ったりしないから···2人と話すの、イヤ? ー
『テレビ電話とか、私···ほぼノーメイクなのに』
···そこかよ!
だいたいそんなの、とっくに見慣れてるっての。
千 ー 大丈夫。愛聖はメイクなんてなくても、カワイイから。僕が保証する。それとも、僕の言葉が信用出来ない? ー
画面の向こう側で、千さんが愛聖の顔を両手で挟んで微笑んでいる。
「龍···オレ達は、一体何を見せられてんだ?」
訝しげに言いながら龍に顔を向ければ、龍は龍で複雑な顔をオレに向けていた。
百 ー ちょっとユキ、イチャイチャ禁止!さっきだってずっとマリーを抱きしめてたじゃん!っていうか、電話!電話繋がってるから丸見え!!楽も龍も困った顔してる! ー
千 ー 別に僕は見られてても構わないけど?なんてね ー
愛聖がRe:valeと仲がいいのは知ってる。
けど、仲良過ぎだろ。