第5章 ヒカリの中へ
❁❁❁ 百side ❁❁❁
ユキは···マリーが来たら、何を話すんだろう。
···だいたい想像は着くけど。
それよりもコレ!
この買い物の量!!
TRIGGERの楽屋を出てからユキの車に乗ったら買い物行くとか言うから何かと思ったら···
千「これから愛聖が僕の家に来るなら、ご飯作っておかなきゃ。今日は愛聖の好きな物たくさん作るから···忙しくなるね」
···って。
多分、マリーは超ビビりながら来るよなぁ。
なんせさっきのユキは···迫力あったからね。
オレがビビるくらい。
まぁいっか···ユキが久し振りに楽しそうにキッチンにいるんだから。
なんだかんだ言ったってユキはマリーが大好きなんだよね。
百ちゃん妬けちゃう!
だってマリーは···オレの知らないユキを知ってるし。
それに、今のRe:valeになる前からユキ達とは仲良しさんだったから。
オレがユキとRe:valeを始めた頃は、マリーは手厳しかったよなぁ。
最初の頃は話してくれるどころか、目を合わせてもくれなかったし。
やっと話してくれるようになったと思ったら、何かとオレとバンさんを比べてはツンとしてた。
万理だったら、こう歌う···とか。
万理だったら···万理なら···そんな事ばかり言ってたけど。
···そういえば、いつからだろう。
マリーがバンさんの名前を言わなくなったのは。
あぁ···そうだ、思い出した。
あれは確か、マリーが八乙女社長にスカウトされて芸能活動を始めた頃···ユキと大ゲンカした時からだ。
あん時もビビったよな···ユキがマリーに手を上げるのなんて、後にも先にも···あの時だけだし。
って言っても。
実際にひっぱたかれたのは、咄嗟にマリーとユキの間に入った···オレだけどね。
まさかあのジェントルマンのユキが、マリーにあんな事をするとは思わなくて思わずマリーを背中に隠したけど。
あの時のユキの顔は、今でも忘れられない。
元々はオレとユキが言い合ってたところにマリーが止めに入って来て、今度は2人がケンカになっちゃって···
その時のことが、ふと頭に浮かぶ。