第5章 ヒカリの中へ
『それは知ってるけど···』
今までに何度も、千の家でお泊まりした事あるし。
千 ー 愛聖の明日の予定は? ー
『明日は···』
レッスン場の掃除も、買い出し当番も···ない。
強いて言うならば事務所の電話番くらい、かな。
でも万理が外出してたりとか、そういう時だけの事が多いし、明日は万理は事務所から出る用事もないから···
『···特にはない、かな』
千の意図が分からないままに自分の予定が空白な事を伝えると、千はフッ···と笑いを漏らした。
千 ー 決まりだね。愛聖、今から僕の家に来て。モモもこの後、僕の家に来る予定だったし ー
『ちょっと待って?!』
千 ー 待たない ー
『だって急に言われても、いろいろと都合が···』
千 ー 愛聖は誰の都合も考えずに、急に姿を眩ませたのに?他の人からそれを聞かされた僕の気持ち、分かる?あぁ、そうだ···僕が必死に探していたのに、愛聖はモモ “ だけに ” こっそり連絡取ったりしてたっけ? ー
うぅ、そう言われると返す言葉が見つかりません···
知っていた事ではあるけど、結構···根に持つタイプだよね
···千は。
百ちゃん···どうやら今は私が超絶ピンチみたいです。
千 ー 答えは?もし僕の予想以外の答えを言うなら、この電話を繋いだまま···少し先のスタジオで収録してるTRIGGERの3人の所まで歩いて行くけど ー
TRIGGERの···3人···
千 ー そうそう、彼らも相当··· ー
『わ、分かった!分かりました!···もしかしたら時間はかかっちゃうかも知れないけど···行く、から···』
ここで楽達にまで囲まれたら、いくらなんでも逃げ道がないよ!
天のお説教···長いし怖いんだから!
それにいつも床に正座させられるし!
千 ー あ、それと···今夜は帰すつもりはないから、そのお世話になってるって人に明日まで帰らない事もちゃんと伝えて?···急に消息不明になったら、心配するだろうから、ね ー
『あ···だから、それは···』
千 ー じゃあ、待ってるからね···愛聖 ー
その言葉を最後に、千の方から通話を切られてしまった。
帰すつもりはない···って。
···
······えぇっ?!