第5章 ヒカリの中へ
『なっ···とにかく今は電話中なので、そういう···』
大「電話?あぁ、そう?相手は誰?お友達?それとも···男?」
そうだった、電話···中···だったんだ!!
『誰と電話してても関係ないじゃないですか!私のプライベートです』
まさか二階堂さんにRe:valeの千と電話中です!なんて言える訳ないし!
大「その感じは、やっぱ男か···困った子だなぁ、オレというものがありながら、浮気?」
ニマニマしながら歩み寄る二階堂さんを見上げながら、オレというものがありながら···なんて言う部分に反論をする。
『ちょっ、な、なに言ってるんですか?!誤解を招くような···とにかく!いま取り込み中だから部屋から出て下さい!ほら、早く!用事なら後で聞きますから』
大「仕方ないなぁ。じゃ、先にバスルームで待ってるから」
どんな用事ですかっ!!と慌てながら、その背中をグイッと押して部屋から追い出した。
···はぁ。
二階堂さんには···いつもこんな風に翻弄させられる。
とか、ため息ついてる場合じゃない!!
床に転がったスマホを拾い上げ、とりあえずの深呼吸をしてそれを耳にあてた。
『千、話が途切れちゃってゴメ、』
千 ー いまの、誰? いまのが迷惑かけたくないって人? ー
『それは···』
正確に言えば、同じ寮に住んでいる人でもあるし、アイドリッシュセブンのリーダーでもあって、最年長でここの責任者···?でもあるし···
何かあった時に迷惑をかけたくない人だと言えばそうだけど。
でも、さっきの話の流れで言えば、私のそれに当たる人は小鳥遊社長という事なんだけども。
千 ー 愛聖、答えて ー
素っ気なく、だけど静かに言葉を重ねる千の口調が、私との距離を詰めて来る。
千 ー 愛聖 ー
『詳しい事は、ちゃんと顔見て話したいから今は言えない』
百ちゃんにも、とりあえずの説明だけ電話でって思ってて、詳しい話は近い内にお互いのスケジュールが会う時にって言おうと···思ってたから。
千 ー はぁ···分かった。愛聖、僕とモモは···今日はこの後はオフだ。ついでに言えば、明日もね ー
Re:valeに、オフなんてあるんだ···とかそんな事を思ってる場合じゃない。
千 ー 僕の家、もちろん知ってるよね? ー