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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第5章 ヒカリの中へ


百ちゃんとは、ちゃんと話がしたい。

けど今は、多分近くに千がいるかも知れない。

百ちゃんのそばに千がいて、百ちゃんが普通に話せないなら···もう、方法はひとつしかない。

『百ちゃん、そこに···千、いる?』

百 ー ······まぁ、うん ー

私がそう言うと、一瞬息を飲んだ百ちゃんが少しの間を開けてそう答えた。

やっぱり千が百ちゃんに張り付いてるんだ。

『そっか、分かった···千に代わってくれる?』

百 ー えっ?!···でも、 ー

『大丈夫。だから、千に代わって、ね?』

百ちゃんの戸惑いが電話越しに伝わって来る。

何かを言おうとする息遣いが何度か聞こえて来て、それからガサリ、と音がした後に百ちゃんとは違うため息が、ひとつ聞こえてきた。

千 ー ···もしもし? ー

『千、さっきは一方的に電話切っちゃって、ごめんなさい』

千 ー 別にそれに関してはもう怒ってない。今こうやって、愛聖と話が出来る状況にあるから ー

それに関してはって···他のことは怒ってるって事だよね。

『あ···えっと、百ちゃんを責めたりしないで?偶然会っちゃって、それで···私が誰にも言わないで欲しいって言ったから、だから、』

千 ー 愛聖、僕がいま愛聖に聞きたいのはそんな事じゃない。愛聖···今、どこにいる? ー

『ごめん···それは、今は言えない』

千 ー どうしても? ー

千のひと言が、淡々としている事が···凄ーく怒ってるって証明されているけど。

『···うん、言えない』

千 ー それはどうして? ー

『···お世話になってる人に、迷惑かけたくないから、かな』

その答えを最後に、千は何も言わずに黙り込んでしまった。

沈黙が、長い。

自分の部屋のエアコンは適温でついてるはずなのに、つぅ···とこめかみから汗が流れ落ちた。

『あのね、千···実は、』

もうすぐちゃんと話せる時が来るから···そう言おうとしたのに。

大「愛聖、入るぞ?」

二階堂さんの声と同時に、部屋のドアが開けられた。

『返事してないのにドア開けるとか!私が着替えてたらどうするんですか?!』

驚きのあまり電話の途中という事も忘れて小さく叫ぶ。

大「あ、悪ぃ。ま、お前さんの恥ずかし~い姿はもう経験済みだけどな」

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