第4章 カケラの眩しさ
『こんなもんでイイかな?』
ひとり呟いて、タオルドライで済ませた髪をくるくると纏め上げた。
本当は乾かした方がいいんだけど万理が待ってるし、ドライヤー位なら話が終わってからでも大丈夫でしょ。
お風呂上がりの···とはいってもシャワーで済ませただけではあるけど、とりあえずのスキンケアだけはしっかりやったし。
これを怠ると···姉鷺さんからよく怒られたっけ。
なんて思い出しながら、鏡に映る自分の頬をツン···と指で押した。
それにしても、このパジャマ兼ルームウェア。
私は別にいいけど、ちゃんと選んで買ったからね~とか言う万理のセンスって···
『ごめんね万理、お待たせ!』
リビングへ行って、三月さん達と談話している万理に声をかける。
万「ん?そんなに待ってないから気にしないで?···それより、そのルームウェア着てくれてるんだね」
『だって、万理がせっかく選んでくれたんだし?意外と似合うでしょ?』
クルリと回って見せて、それらしいポーズをキメてみる。
大「ミツ、お前さんも揃いで着てみるか?」
三「なんでだよ!」
···三月さんなら、無条件で似合うかも。
軽く想像して、今度着てみて貰おうかと密かに企んだ。
環「つーか、バンちゃん。あ~いうの買う時って、恥ずかしくねぇの?女子が買いそうなカワイイ系の着ぐるみじゃん?」
自分の格好を見て、四葉さんの言う通り···万理がショップで買い物をする姿を想像してみる。
···あれ?
違和感なくない?
万「ん~···別に恥ずかしいとかはなかったかな。いろいろ見てて楽しかったけど、そう言えば店員さんは妙にニコニコしてたなぁ」
大「そりゃそうだろって。長身のイケメンがこんなの買いに来たら、ちょっとした騒ぎだろって」
万「やだなぁ大和くん。俺は別にイケメンでもなんでもないって」
「「 自覚なし 」」
万「え、なんで?」
『万理はこういう感じだから、昔から』
音楽活動してた頃だって、万理のファンだって言う子が話しかけてきても、なんか勘違いして千を呼びに行ったりしてたし。
ま、そこが万理らしいというかなんというか。
『じゃ、遅くなっちゃうし···そろそろ部屋に行くか···ニャン?』
「「 ニャン?! 」」
『え?ネコさん着ぐるみだから、なんて』