第4章 カケラの眩しさ
一「ね、猫の着ぐるみだからといって猫語とかカワイイ···子供みたいな事を」
陸「でも、どうして万理さんは猫さんを選んだの?」
『あ、猫さんだけじゃないよ?他にもウサギちゃんとか、くまさんとか』
ナ「バンリ、コスプレ好きだったんデスネ?···着てみる方は···好きデスカ?」
キラリと目を輝かせながらナギさんが万理の肩に手を置くけど···ナギさん、まさかあの魔法少女の服を万理に?!
···な、訳ないか。
どう考えてもサイズ入らないでしょ。
あ、でも?
あのナギさんが持っている衣装を万理が来たら···髪はあんな風にして···いや、こうの方がいいかな?
想像すると、ちょっと楽しいかも。
万「愛聖。何考えてるか予想ついてるからね、そのニヤケ顔」
コホンと小さく咳払いをして、万理が私を怪しげに見る。
『あ···はは···ごめんニャン』
一「だから、その猫語は···」
妙にドギマギしながら一織さんが間に入るけど、猫語って、変かな??
環「いいじゃん、ニャンニャン言ってても。猫なんだし」
『そうですよね~!だって私、寂しがり屋の迷子の猫さんだし』
壮「迷子の猫?」
万「お~い!愛聖?!」
万理の部屋で過ごす最後の夜を思い出して言ってみれば、それに気付いた万理が慌てだした。
『なんてね!じゃ、とりあえず部屋に移動しましょうか』
万「全く···イタズラは程々にね」
ちょこっと肩を竦めながらも万理が立ち上がり、移動しよう···と背中に手を当てる。
大「あ~···一応、リーダーとして警告しとくけど。ニャンニャン禁止ね」
万「大和くんっ?!」
三「うわぁ···おっさんホントは歳いくつだよ。死語だろ今の」
ニャンニャン?
死語?
···よく分からないから、後で万理に聞いてみよう。
一「佐伯さん。異性と2人だけで部屋に滞在する時は、ドアを少し開けた方がいいですね」
『どうしてですか?』
一「それは···」
大「イチ。その辺は心配ないだろ。そもそも一緒のベッドで寝てたくらいなんだから」
あ···なるほど、そういう事か。
万「ないない。神に誓える位にないよ」
『そこまで神に誓いを立てなくても!』
みんなが笑う中で、もぅ!とふくれながら万理の袖を引いて、早く行こうとリビングを後にした。