第4章 カケラの眩しさ
❁❁❁ 大和side ❁❁❁
リクのポジションに愛聖を入れて、曲に合わせて歌って踊る。
へぇ···結構やるじゃん?
オレ達はメンバーの息を合わせるのに、それなりに時間は掛かった。
けど愛聖は、タマの思い付き発言で今日イキナリ7人で···って感じなのに、ピッタリ合わせてくる。
もちろんリクとの身長差があるから、歩幅の数なんかはリクとは違うけど、それを感じさせないようにスムーズに動いて移動してる。
歌だって、まるでそこにリクがいるかのように感じさせる歌い方。
完全なる完コピって感じ?
きっとこういうのは、前にいた事務所で訓練されてる物が自然と出てるんだろうな。
それと、多分だけど···元々持ってる、感性ってやつ?
もしかしたら、イチが言うように···メンバーの誰かに何かあった時、リハくらいなら愛聖で···とも行かないわな。
愛聖は単なるタレント研究生じゃない。
実際はオレらより、ずっとキャリアがある大先輩ってなワケで。
こうやって歌って踊って···なんてのを見てると、早く復帰すりゃいいのにとも思う。
···ん?
万理さんの話って、もしかしてその件か?
大した用事じゃなかったら、直接愛聖のとこに来たりしないんじゃないのか?
あ、でもそれなら万理さんじゃなくて社長が来るか?
もしくは、社長に呼び出されるか。
だけどあの社長なら、万理さんの言うことなら聞きそうだから~とか言いそうだな。
おいおいアンタ社長だろ?って言いたくなるようなフワフワした物言いもよくあるし。
ま、遅かれ早かれ···愛聖は復帰するのは間違いないな。
『つ、疲れた···』
曲が終わって直ぐにへたり込む愛聖を見て、さすがに連チャンしてるから仕方ないか?と歩み寄る。
「ほ、」
ナ「ドウゾ、マリー?ワタシの手に捕まって?」
そういう行動早ぇ~のな、ナギ···
『ありがとうございます···だけど、大丈夫。こんなのしょっちゅうだし』
「しょっちゅう?そんなに俺らの大ファンになっちゃったってワケ?」
ワザとおどける様に言ったのに。
『もちろん、皆さんの事は大好きです』
「あ~、そう?」
キラリと光る笑顔で返されたら、そりゃまぁ···照れるわな。
みんな、って言ったのにな。