第4章 カケラの眩しさ
三「約束破っちまったのは悪かったから謝るよ。ゴメン、愛聖」
壮「僕もごめんね···本当はみんなを止めるべきだったのに···」
三月さんを皮切りに、次々とみんなが表情に影を落としていく。
ま、いつかはバレると思ってたし。
自分でこの前、みんなの曲で···とか話したし。
そそのかした万理は後で、しっかりと言い訳を聞けばいい事だから、この位にしとこうかな?
今後もみんなと一緒に生活する訳だしね。
『なぁんてね?ビックリしてくれた?』
掴んだままの万理のネクタイをパッと離し、ニッコリと笑いながら顔を上げた。
「「 いま怒ってたの演技?! 」」
大「あ~クソ~···騙された···」
万「俺は気付いてたけどね?だって普段どれだけ愛聖が怒っても、こんな風にネクタイを掴んで···とかやらないだろうし。あ、それともそっちが本当の愛聖?」
『万理?』
乱れたネクタイをシュルりと緩ませる万理に視線を流せば、冗談だよ、と更にと笑って返された。
『ところで万理。みんなを連れて来たって事は一旦置いといて。私に用事でもあったの?それともみんなに?』
投げ捨てたタオルを拾い上げながら聞けば、万理はちょっと困った顔を見せながら、まぁね···と言った。
『じゃあ···部屋で話そうか?万理のその感じだと、そんな気がするから』
そうだね、と万理が言いかけた時、それに被るように四葉さんが声を出した。
環「なぁ!俺すっげぇ楽しいこと思いついたんだけど!」
壮「楽しいことって?」
環「あのさ、いまマリーって俺らの曲で踊ってたじゃん?」
『···まぁ、そうだけど』
なんか、ちょっとだけ···嫌な予感しかしないけど···
環「俺たち全員ここにいるし、誰かの代わりにマリー入れて一緒に踊ってみたい!」
あぁ···やっぱり···
ナ「Oh!ナイスアイディア!それはとても楽しそうデス!」
『あの、それはちょっと···』
ナ「なぜデスカ?さっきのマリー、とても楽しそうにダンスしてマシタ。それとも、ワタシ達とダンスするの、嫌デスカ?」
『そうじゃないですけど、あの···ナギさん?ちょっと近いです』
急接近してくるナギさんをそっと押し戻して、1歩下がる。
一「なるほど···それはやってみる価値はありそうですね」