第4章 カケラの眩しさ
❁❁❁ 万理side ❁❁❁
「こんばんはー、大神でーす!」
事務所の仕事を終えて、社長から託された例の件を話そうと寮を訪れる。
陸「あれ?万理さん、どうしたんですか?」
「ちょっと愛聖に用事があって来たんたけど、愛聖は?」
軽くリビングを見回せば、肝心の愛聖の姿はない。
一「佐伯さんでしたら、自主練するからと地下のレッスン場に行きました」
三「そうそう、絶対覗くな!とか念押されたしなオレ達」
大「ひょっとして一人で織物でもカタンコトン織ってたりしてな?」
鶴の恩返しか!とツッコミたい所だけど、レッスンしてるなら邪魔したくないしなぁ。
壮「それより万理さん。事務所の仕事帰りってことは夕飯はまだですか?」
「え?あ、まぁそうだけど。家に帰ってから食べようかな?と思ってたから」
オレがそう返せば、だったらちょうど良かった!と三月くんが立ち上がった。
三「今日、オレと壮五で愛聖に料理教えながら夕飯作ったら、なんだか作り過ぎちゃってな。もし良かったら万理さん食べてってよ」
「いいの?」
大「そりゃいいな!···あの怪しげな食べ物が少しでも減ってくれたら明日のオレ達の寿命が伸びるってもんだ」
え···怪しげな、食べ物って?
壮「あ、あの!見た目は確かに···ですけど、味は大丈夫です!三月さんと僕もついてたし、食べられなくはない、と思います。実際食べましたから」
三「環はお代わりして愛聖喜んでたしな!ナギは···夕飯の後、顔見てないけどよ」
それって大丈夫なレベル?!
だってあの愛聖が作ったんだろ?
いくら三月くんと壮五くんがついたいたからとは言っても···胃腸薬、家にあったかな···?
なんて思ったのが愛聖にバレたら、きっと怒るんだろうなぁ。
どうぞ?とテーブルに並ぶ料理は···ホントに師匠がついていたんだろうかと思わせる程の···怪しげな、あ、いや···コホン···不思議なメニューで。
恐ろしく真っ赤なエビチリや、どうすればこんな色に?と思わせる程···黒い···なんだろう、麻婆豆腐?かな?
それから、ところどころ色ムラのある炊きごみご飯···の、ようなものに、やたら具材が多く入ったマカロニサラダ···
「た、多国籍料理、なんだね」