第4章 カケラの眩しさ
❁❁❁ 百side ❁❁❁
シャワーを止めて、髪の先から落ちる滴をフルフルと振り払いながらバスルームのドアを開ける。
お腹も空いたけど、とりあえず昼間の撮影で汗かいてたしシャワーを優先させたのは···百ちゃん正解!
サッパリした後のご飯はきっと美味しいはず!
···とは言っても、自分で作るか近くのコンビニ行くか···だけど。
冷蔵庫、何があったっけ?
記憶を辿っても、思い浮かぶのは缶ビールばかり。
仕方ない···コンビニ行くか。
タオルで頭をガシガシと拭きながら脱衣所から出れば···んんん?
なんかいい匂いがする?!
なんで?!?!
バタバタと足音を立てながら部屋へ入れば、キッチンに髪を軽く束ねたエプロン姿の···
「ユキ?!」
千「何度もインターフォン押したけど反応ないから、勝手に入った。鍵は持ってるし、玄関開けてから声掛けたけど、シャワーしてるみたいだったから」
「あ、はい···シャワーでした」
まぁ、ユキが鍵開けて入って来るのはいつもの事だからいいんだけどさ。
龍「千さん、さっきのサラダは冷蔵庫に入れました」
「って、ええっ?!ゲストまで?!」
龍「あっ···こんばんは百さん。お邪魔してます···」
千「買い物してたら偶然会って、せっかくだから連れて来た。それよりモモ、服···来たら?彼もいるんだし」
あーっ!!
そうだった!!
オレってばいまパンイチだった!!
慌ててその辺にある服を来て、コホン···と咳払いをした。
龍「別に俺は平気です。普段から楽のそういう格好とか見慣れてますし、それにここは百さんの家なんだから、気にしないで下さい 」
そう言われると、そうなんだけど···そういうワケにも行かないじゃん?
千「モモ。僕がプレゼントしたやつ、ちゃんと履いてくれてるんだね。カワイイぞうさんの···プッ···」
龍「え、ぞうさん?」
「もちろん!だってダーリンがオレの為に選んでくれたぞうさん柄の···って!なんで笑ってんだよユキ!それに龍も!」
我慢してるっぼいけどバレバレだからな!
千「そう怒るなって···あれ?モモ、シャンプー変えた?いつもと違う香りがする」
冷蔵庫から出したミネラルウォーターを渡しに来たユキが、オレの髪を指でクルクルと掬って遊びながら顔を覗く。